岩手県一関市の牧場で、牛の出生・移動などの履歴を管理する法律「牛トレーサビリティ法」の違反が確認されました。
農林水産省は2025年9月26日、この牧場に対し是正を求める催告と指導をしました。

農林水産省によりますと、牛トレーサビリティ法に基づく催告と指導を受けたのは、岩手県一関市の「いわて門崎丑牧場」です。

牛トレーサビリティ法は、BSE(牛海綿状脳症)のまん延を防ぎ、食の安全を確保するための法律で、牛の出生・移動などの履歴を管理するものです。

農水省が、2025年2月から7月にかけて、いわて門崎丑牧場に立入検査を行った結果、269頭の違反が確認されたということです。

違反の内訳を見ると、牛の耳に装着し履歴を追跡する「耳標」の未装着が37頭、「耳標」の誤装着が1頭、ほかの牛の耳標を装着した疑いが9頭、牛の譲渡や譲り受けの未届けが220頭、死亡の未届けが2頭でした。

この上で農水省は、こうした行為が個体識別を困難にし、食の安全性を損なうおそれがあるとして、9月26日付けで、いわて門崎丑牧場に対し、届け出の再確認や管理体制の見直し、従業員への制度周知など再発防止を求める催告と指導をしました。

これらの改善状況について農水省は、10月27日までに農林水産大臣宛てに報告書を提出するよう指導したということです。

いわて門崎丑牧場は「これまでは従業員への指導が足りない部分があった。こうしたことが二度と起こらないよう、催告と指導に基づき、再発防止を徹底していく」とコメントしています。

牛トレーサビリティ法は2004年の施行で、いわて門崎丑牧場の催告・指導は、全国で14例目、東北管内では3例目です。

岩手めんこいテレビ
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