距離の縮め方と迎えても良いサイン

保護ができそうと判断した場合、すぐに行動できるのかというと、そうではない。けがなどで急を要する場合を除き、猫との距離を縮めることが望ましいと田口先生は語る。

接し方で警戒心が強まることも(画像はイメージ)
接し方で警戒心が強まることも(画像はイメージ)

「猫の警戒心を解くことが大切です。追いかけ回したり、無理にスキンシップを取ったりすると警戒心が強くなります。攻撃をされて、けがや感染症につながる可能性もあります」

接し方としては根気強く、そばにいる時間を徐々に増やすことがポイント。ペースト状のおやつなどをあげて、“おいしいものをもらえる存在”になってもいいという。

そして猫から以下のような行動が続いたら、保護を考えてもいいサインだ。

・怖がらずに近づいてくる
・のどをゴロゴロと鳴らすことが増えた
・お腹を見せてくれるようになった
・頭やお腹をなでさせてくれる

猫の行動を参考にしよう(画像はイメージ)
猫の行動を参考にしよう(画像はイメージ)

「住宅の敷地内など、自分の所有地にやってくるようであれば、入りやすいケースや毛布を置くなどして、猫が過ごしやすい環境を作ると、警戒心も解けやすくなります」

【猫の保護についてのお勧め記事はこちら】
猫の保護でやるべき「5ステップ」とは?飼い主になるための備え
猫から信頼されたサインを知ってる?警戒心を解く“心の距離”の縮め方

行動する前に考えておきたいこと

猫の保護で心にとどめておきたいのは、接し方だけではない。責任や覚悟が求められる点だ。

「保護は猫を捕まえて終わりではありません。動物病院での診察、飼うための準備などを行うことになりますし、(一時的な保護で)他の飼い主を探すことになった場合も保護主が主体となります。最後まで責任を持って猫と向きあえるか、考えていただきたいです」