外で生きてきた猫に近づくと、逃げられたり、「シャー!」と威嚇されたりすることもある。
気になる存在で保護したいけど、相手との「心の距離」の縮め方がわからない。そんな猫の警戒心を解き、信頼関係は築けるのか。
猫専門の動物病院の院長で、保護猫ルーム「ぽのいえ」の運営者でもある・田口ゆかり先生は、「まずは人慣れしていない猫を理解することが大事」と、アドバイスする。
警戒心が強い猫に見られる特徴
なぜ、外にいる猫は警戒心が強いことがあるのか。田口先生は2つの要因を挙げる。

「目の前の人間がどういう動物か理解できず、不安や恐怖を抱えているためです。また、過去に人間から強いトラウマを植え付けられてしまったことで、警戒している猫もいます」
警戒心が強い(人慣れしていない)猫には、次のような特徴が見られるという。

・人間を見ると体の毛を逆立たてる。尻尾が太くなる
・姿勢を低くして丸まり、耳を外側に倒す“イカ耳”になる
・道や建物の隅など、目立たない所に隠れて動かなくなる
・近づくと「シャー」「ウー」などと威嚇する
・触ろうとすると“猫パンチ”をしてくる
警戒心を解くならコツは接し方
そんな猫たちと、信頼関係を築くことは可能なのだろうか。
「多くの場合、ゆっくり時間をかけることで徐々に警戒心は解かれていくでしょう。野生の猫は家猫よりも人間に慣れるまでに時間がかかるため、保護する際、焦りは禁物です」
そこで田口先生に、猫と接する時のポイントを聞いた。以下を参考にしてみよう。
・猫をしつこく追いかけ回さない(警戒心を煽ることになる)
・優しく、小さい声で話しかける(大きな声は猫の警戒心を強め、ストレスにもなる)
・嫌がっていそうなら、触ったり、抱こうしたりとしない
・猫に触れることができても、手にタオルやグローブを装着する(爪や歯から身を守るため)