例年であれば9月は台風の接近が多い時期だが、2025年は福島県に台風が接近していない。なぜ台風が来ないのか、そして今後のリスクについて福島テレビの斎藤恭紀気象予報士が解説した。
■今こそが台風の季節
「まさに今が台風の季節」と斎藤気象予報士は語る。9月26日・27日は1959年の伊勢湾台風、1991年台風19号(りんご台風)など、歴史的な台風の上陸日として知られている。
月別の台風コースを見ると、8月から9月にかけて徐々に福島県に接近してくるパターンが一般的だ。これは夏の高気圧が弱まることで台風の通り道ができるためである。
■今年は異なる気象パターン
「ところが今年は道のところに夏の太平洋高気圧が居座ってるものですから、なかなか北上できない」と斎藤気象予報士は説明する。例年なら弱まるはずの太平洋高気圧が強く残っていることで、台風の北上を阻止している状態だ。
■今後の台風リスクは?
しかし、油断はできない。「この後この高気圧が弱まれば近づいてくる」と斎藤気象予報士は警告する。平年の台風発生数を見てみても、10月から12月にかけてまだ8個ほど台風が発生する可能性があるという。
特に今年は「ウルトラ猛暑だったということで、日本付近の海面水温が非常に高い」状況にある。そのため「発生すれば発達して接近してくる可能性がある」と指摘した。
■過去の記録から見る警戒の必要性
過去の記録を見ると、台風の上陸が最も遅かったのは11月30日だったという。1990年のこの日、福島県では2人の負傷者と143棟の家屋浸水被害が出た。
「まだまだ今年の場合は油断禁物なんです。天気は帳尻を合わせてきますから、この後10月11月油断禁物です」と斎藤気象予報士は締めくくった。