2025年9月14日に鳥取県で開催された「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に福島県伊達市の聖光学院高校の手話部が出場した。聖光学院のテーマは「東日本大震災」福島の思いをつなぐ高校生たちのパフォーマンスを取材した。
手話を通して伝えたい思い
2025年6月、創部4年目の聖光学院手話部は2年連続の全国大会出場に向け練習に励んでいた。
テーマは「東日本大震災」。副部長の高橋心桜さんは「実際の東日本大震災の映像を見たり、実際に被害に遭われた先生もいるのでその方々からお話を聞いたりして、こういう感じだったのかというのを自分の中に落とし込んだ」と話す。

パフォーマンスでは、避難生活を送るなかでの気持ちのすれ違いなどから、大変な時にも「人と人とが思い合う心」の大切さを伝える。
聖光学院手話部を指導する福島県聴覚障害者協会の根本和徳さんは「ただ無表情で手を動かすだけではなくて、顔の動き表情も伝わってくるものがあると思う」と指導する。
2年連続の全国の舞台
震災と手話を通して伝える福島の思い。2年連続で全国大会への切符を勝ち取り「全国優勝」を掲げて大舞台に挑んだ。
「2011年3月11日、午後2時46分」
「東日本大震災」
「当たり前にあった日常が消えていきました」

こう始まった聖光学院手話部のパフォーマンス。部長の齋藤さんは「今年は去年とは全然違う観客数ですごく緊張していたけど、今までの劇よりもよくできた」という。
全国から16チームが出場した「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」。聖光学院は惜しくも優勝を逃したものの、演劇・コント・ポエム等部門で「審査員特別賞」に輝いた。
次の舞台はデフリンピック
大会を終えた9月22日、教室には新たな目標に向かって歩み出す部員の姿があった。11月には、デフリンピックの開会式でもパフォーマンスを披露する予定だ。
部長の齋藤さんは「本選に出られたのはすごくうれしかったけど、優勝したかった。次の世代の人たちにつなげて、今年よりも良い賞をとってほしい」と思いを託す。

大切な気持ちを、言葉の壁を越えて伝えたい。深まる秋に新たな一歩を踏み出す。
(福島テレビ)