今月20日宮崎市で全国からダウン症の陸上選手が参加する記録会が開かれました。
大会の陰にはダウン症アスリートが主役になる舞台を作るため奔走してきた女性の姿がありました。
4年前に宮崎市で始まった全国ダウン症アスリート陸上競技記録会。
今年は全国16の都府県から6歳〜29歳まで51人の選手がトラックやフィールド競技にエントリーしました。
ダウン症の陸上選手の記録会としては国内最大です。
熱気に包まれる会場には、忙しそうに動き回る女性の姿が・・
(日本パラ陸上競技連盟 理事 奥松美恵子さん)
「9月は宮崎に3日しかいない。あさってからインド行きます」
Q.インド?
「インドで世界パラがあるんですよ、世界陸上は東京だったけどパラはインドなんですよ」
この記録会の生みの親で日本パラ陸上競技連盟の理事をつとめる奥松美恵子さん62歳です。
奥松さんは県内の特別支援学校の元教員で、4年前の東京パラリンピックでは日本代表の陸上コーチを務めました。
(日本パラ陸上競技連盟 理事 奥松美恵子さん)
「ダウン症の選手が出る大会が日本に無いというところもあって宮崎できないかと思って、2021年の東京パラが終わるタイミングにスタートした」
ダウン症アスリートが輝く場を作りたいという思いから始まったこの記録会。
今年は国際大会の日本代表選手も出場するなど年々レベルも上がっています。
こうした中、2年後の宮崎障スポでは大きな変化が・・
(日本パラ陸上競技連盟 理事 奥松美恵子さん)
「ダウン症の選手の人たちが活躍できる場が新たに増えた」
現在の障スポの区分けではダウン症は知的障害のクラスに含まれています。
ダウン症は、知的障害に加え身体機能においてもハンディがあるため知的障害のみの選手よりも記録が出にくいと言われていて、県内から今年の滋賀障スポに出場する選手の中にダウン症アスリートはいません。
そうした中、2年後の宮崎障スポでは、陸上と水泳にダウン症だけのクラスが新たに設けられる予定となっています。
(日本パラ陸上競技連盟 理事 奥松美恵子さん)
「クラスを新たに設けることでダウン症のなかでのナンバー1を見つけられるということで選手ももっと頑張ろうとなるかなと思ってます」
この日、競技開始前にはダウン症アスリートのレベルアップを目指し練習会も開かれました。
(出場者)
Q.調子いい?
「はい」
(日本パラ陸上競技連盟 理事 奥松美恵子さん)
「自分がみんなから見てもらえるっていう主役の場があって次の生きる喜びになってくれれば」
(出場者)
Q.走ってみてどうでした?
「楽しかった」
Q.まだ陸上やりたい?
「はい」
三門和生さん21歳はこの記録会に第1回から出場しています。
(児玉泰一郎アナウンサーの実況)
「三門さん、ぐんぐん加速していきます。いまトップでフィニッシュ!ナイスランです、ガッツポーズが出ました」
(三門和生さん)
Q.走ってみてどう?
「一番になりました うれしいです、楽しかった」
Q.陸上好きですか?
「好きです」
会場には陸上を楽しみながら挑戦する選手たちの姿がありました。
(日本パラ陸上競技連盟 理事 奥松美恵子さん)
「選手の笑顔と家族の笑顔を見た時、スタート前の大丈夫かなという顔とゴールした時のやった、がんばったねていう皆さんの表情見た時がやってよかったなって思います」