福島県の秋の味覚として人気を集めているシャインマスカットが、今年は例年より安く販売されている。通常なら高級果物として知られるシャインマスカットだが、今年は生産量が大幅に増加したことでお買い得に。福島県内の直売所では1000円前後で購入できるようになり、消費者にとって朗報となっている。

■大豊作の「シャインマスカット」
「大豊作です。今年は猛暑で小粒のものもあるけれども、抜群に甘い。売り場が緑の海になっています」と、道の駅「国見あつかしの郷」の担当者はいう。
通常、東京などの都市部では贈答用で1万円ほどする高級品だが、福島県では比較的手頃な価格で楽しめる。特に今年は生産量が増えたことで、道の駅などでは1000円前後で販売されている。

■供給増加の理由
シャインマスカットの供給増加の背景には複数の要因がある。まず、福島県の道の駅におけるブドウ売り場に占めるシャインマスカットの割合が、3年前は1/3だったのに対し、今年は約1/2にまで増加している。
斎藤気象予報士は「種なしで皮ごと食べられるブドウとして、近年全国的に人気になった」ことが大きな要因。また「福島の果物が全国的に美味しいと知られるようになった」ことも影響していると推測する。
道の駅「国見あつかしの郷」の担当者によると、3年前から福島県の伊達エリアで定植が進み、今年になって出荷できる農家が増加。さらに「最近はモモやアスパラ農家が新たにシャインマスカットを作り始めている」という傾向があるという。

■出荷量の増加
農林水産省のデータによると福島県のブドウ出荷量は年々増加傾向にある。特に2023年は10アールあたり2460トンで、前年比270トン増加している。供給が増加したことで価格が下がり、消費者にとっては嬉しい状況となっている。
斎藤気象予報士は「10月中頃まで収穫が続く」とし、この機会に福島産シャインマスカットを楽しむことを勧めている。

福島県の恵まれた気候と農家の努力により、かつては贅沢品だったシャインマスカットが身近な秋の味覚として楽しめるようになった。今シーズンの収穫は10月中旬まで続くとのことなので、この機会に福島の誇る果物の王様を味わってみてはいかがだろうか。

※2025年9月23日(火)放送の福島テレビ「テレポートプラス」内の天気コーナー「福テレ空ネット」から抜粋した記事です。

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