22日夜、鹿児島県薩摩川内市に秋を告げる「川内大綱引」が開催され、総勢3000人の男たちが熱い闘いを繰り広げました。

また2025年は大綱を運ぶ「綱出し」の、ギネス記録への挑戦も行われました。

激しい攻防の様子とあわせてご覧ください。

薩摩川内支局・牧瀬大輔記者
「太鼓隊の勇ましい合図と共に三役が入場してきます。これから綱の中心を掛け、男たちの熱い闘いが繰り広げられます」

薩摩川内市で400年以上続けられる、伝統の「川内大綱引」。

戦国武将・島津義弘が関ケ原の戦いで、兵士の士気を高めるために始めたとされています。

日本一とも言われる長さ365メートル、重さ7トンにもなる大綱を総勢3000人の男たちが上方と下方に分かれ引き合います。

午後8時過ぎに闘いの火ぶたが切られ、1時間半後に綱の中心が上方、下方どちらにあるかで勝敗が決まります。

序盤、白い鉢巻きの下方が戦いを有利に進め、綱の中心付近では引き手の動きを阻止しようとする「押し隊」の激しい攻防が続きます。

そして、終了まで残り15分を過ぎた午後9時半過ぎ…

劣勢かと思われた赤い鉢巻きの上方が一番太鼓の合図と共に反撃に転じます。

大綱は、一気に上方陣地へと引き込まれていき、勝負が結しました。

審判長
「本日の勝負、上方の勝ち」

勝った上方陣営からは、歓喜の声が上がります。

勝利した上方
「上方が勝って良かったです。作戦勝ちです」
「最初はヒヤヒヤしていましたが、最後の逆転で気持ち良いです」

闘いの後は、三本締めで激闘を演じた両陣営の健闘をたたえます。

見物客
「迫力がとてもすごく、最後一気に(綱が)引かれるところもすごいなと」
「勝ちました。(綱は)家に持って帰って飾ります」

また2025年は開始前、2024年に大雨で延期となっていた大綱を運ぶ「綱出し」のギネス記録への挑戦も行われました。

「綱を運ぶ最大のパレード」として、市民782人が大綱を担ぎ100メールを超える距離を移動させ、ギネス公式認定員から保存会へ認定書が交付されました。

世界記録に認定され、新たな歴史が刻まれた「川内大綱引」。

その伝統は、これかも受け継がれます。

鹿児島テレビ
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