長野県中野市の4人殺害事件の裁判。9月22日は、被害者の女性の息子が青木被告に対し、「母が発した言葉を教えてくれませんか」などと質問しましたが、被告は黙秘を続けました。
殺人の罪などに問われている中野市の青木政憲被告(34)。起訴状などによりますと、2023年5月、散歩していた女性2人をナイフで刺して殺した上、駆けつけた警察官2人を猟銃とナイフを使って殺害したとされています。
これまでの裁判で青木被告は黙秘を続けています。
裁判は「責任能力」と「量刑」が主な争点で、検察側は犯行当時、完全な責任能力があったと主張しています。
一方、弁護側は精神疾患により、善悪の判断力などが著しく低下している「心神耗弱」の状態だったと主張しています。
9月22日は、まず、青木被告の父親の証人尋問が行われました。
黙秘を続けていることについては―。
被告の父親:
「自分の口で事件について話せるのであれば話すべきだが、世の中のことを信用しなくなってしまっている点があるのだと思う」
また、遺族に対する思いを聞かれると、「4人の亡くなられた方々、遺族に本当に申し訳ない」と述べ、遺族の方を向いて頭を下げました。
続いて、被告人質問が行われました。
弁護士:
「今話すことはありますか」
青木被告:
「黙秘します」
弁護士:
「答えることを拒否するということですか」
青木被告:
「はい、そうです」
弁護人からの質問に対し、これまでの裁判と同様に黙秘を続けた青木被告。被害者参加制度を利用し、被害女性の息子も質問に立ちましたが。
被害女性の息子:
「母の最期を見たのはあなただけです。母はやめてとか痛いとか言いましたか」
青木被告:
「黙秘します」
被害女性の息子:
「教えてくれませんか」
青木被告:
「黙秘します」
被害女性の息子:
「『黙秘します』以外には何かないんですか」
青木被告:
「何もありません」
その後もすべての質問に「黙秘します」と答え、最後まで事件の真相を語ることはありませんでした。
裁判は9月24日、遺族の意見陳述と検察の論告求刑が行われます。