当時の映像を見た友野は「懐かしいな。恥ずかしくて見てられへん。昔からこういう役割やったんですね」と苦笑する。

「(当時を)覚えていますし、五輪を目指すきっかけになったのも、町田君。この時は僕も『日本を代表するような選手になりたい』と言っていますけど、一ミリも本気で思っていないですね」

「町田君を見て憧れて『世界の舞台行きたい』と思うことはありました。けど、自分がそういうスケーターになるとは思ってなかった。めちゃくちゃ高い向上心があった訳ではなく、目の前の悔しいことだったりを乗り越えてきて、今目の前にある目標がオリンピックになりました」
そんな友野が一躍時の人になったのは、シニア1年目のとき。イタリア・ミラノで行われた2018年世界選手権だ。

この2017-2018シーズンは平昌五輪シーズンで、友野は前年の全日本ジュニア王者として2017年の全日本選手権に出場。「オリンピック争いをしているのが夢みたい」と総合4位で終えた。
そして、2018年3月にイタリア・ミラノで行われた世界選手権に、羽生結弦さんの代打として初出場する。

これまで感じたことのない緊張感のなかで、ショートをノーミスで滑り、思わず涙がこぼれた。