フィギュアスケート・東京選手権が9月19日から9月21日にかけて行われた。

会場は今年9月にオープンしたばかりの東京・辰巳アイスアリーナ。多くの観客が詰めかけた。

この東京選手権で東日本選手権への出場権を獲得したシニア・ジュニアの選手たち、そして全日本ノービス出場を決めた選手たちを特集する。

【シニア男子】佐藤駿が優勝

シニア男子はシード・鍵山優真を除く21名全員が東日本選手権への出場を決めた。

優勝は佐藤駿。

今年6月のドリームオンアイスで右足首の骨座礁を負い、全治2カ月の診断を受けた。本格的な練習を始めたのは今季初戦となった「三菱ガス化学アイスアリーナトロフィー」の1週間半前。

今大会も痛み止めを飲みながら満身創痍の状態で挑むことに。

恐怖心も抱えながら迎えたショートでは、シーズンベストとなる95.29点をマーク。代名詞の4回転ルッツを今季初めてショートで決め、出来栄え点(GOE) 2.30の加点がついた。

本人も「ほっとしました」と安堵の笑顔を見せた。ケガからの完全復活を予感させる佐藤の演技に会場は大きな歓声に包まれた。

シーズンベストをマークした佐藤駿のショート(東京選手権)
シーズンベストをマークした佐藤駿のショート(東京選手権)
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フリーは自身で選曲した『火の鳥』。

冒頭4回転ルッツや4回転トーループなどジャンプでミスが続くも、タッグ3年目となるギョーム・シゼロンさん独特の振り付けを力強く表現。中盤抜けてしまったトリプルアクセルに成功するまで何度も挑む姿は、まさに“不死鳥”のようだった。

ファンから「卍ボーイズ」と呼ばれ、ノービス時代から鍵山優真と三浦佳生とともに切磋琢磨してきた佐藤。そんな3人は五輪の地で開催された今年9月のロンバルディア杯にそろって出場。そこでの誓いが佐藤の原動力になっている。

ノービス時代から切磋琢磨してきた3人(左から)佐藤駿、鍵山優真、三浦佳生(2018年撮影)
ノービス時代から切磋琢磨してきた3人(左から)佐藤駿、鍵山優真、三浦佳生(2018年撮影)

「『またこのイタリアの地に3人で帰ってこられるように頑張ろうね』と話していたので、僕も本当に3人で行きたいという思いが強いので、頑張っていかなければならないなと改めて思いました」

いよいよ本格化する勝負の五輪シーズン。佐藤は中国大会でGPシリーズ1戦目を迎える。「ロンバルディア杯のフリーと今大会のショートを合わせるだけ」と手ごたえは十分だ。

「ショート、フリーともにノーミスの演技ができるように頑張りたい」と意気込む佐藤の会心の演技に期待したい。