2025年5月、長野県御代田町のスーパー駐車場で車が暴走し、歩行者の女性がはねられ死亡した事故で、検察は、運転していた77歳の女に禁固1年4カ月を求刑した。
誤ってアクセル踏み込み…女性が死亡
過失運転致死の罪に問われているのは、長野県軽井沢町の無職の女(77)。
起訴状などによると、2025年5月、御代田町のスーパーの駐車場で、乗用車を停止させる際、誤ってアクセルを踏み込み、買い物カートを押していた女性(当時73)をはね飛ばし、死亡させたとされている。
被告が運転する車は、駐車していた車数台にぶつかった後、植え込みに乗り上げて止まった。
当時、居合わせた買い物客は「坂の途中で女の人を先にはねたんじゃないのかな。車は7台くらいやっちゃった。ダダダダダダと」と話していた。
被告「車がフワッと動き出し…」
長野地裁佐久支部で開かれた初公判で、被告は、「駐車場に入り、前の車の後につこうとしたところ、車がフワッと動き出しハンドルをきった」「足の操作を思い出そうとするけど、ブレーキを踏んでいたのかアクセルを踏んでいたのか思い出せない」「もう運転はしない」などと述べた。
別居している被告の娘も証言台に立ち、事故の後、車を使わずに生活できるよう、最寄りの停留所から目的地までバスに一緒に乗るなど、母親を支えていることを明らかにした。
被害者家族「現実が受け入れられない」
一方、被害者の夫や息子は「今も、事故のあったスーパーに買い物に行けない」「家族の命を奪われた現実が受け入れられない」などの思いを、検察を通して述べた。
検察は、当時の状況などから、被告が何度もブレーキとアクセルを踏み間違えていたと指摘。「過失の程度も結果も重大」などとして禁固1年4カ月を求刑した。
弁護側は、被告が事故の重大さをしっかり認識し、毎日、被害者を思い手を合わせているなどとして、禁固1年執行猶予3年を求めた。
裁判は即日結審し、1月26日に判決が言い渡される。
