鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」です。

【野川諭生キャスター】
先週に続き、広島電鉄の新メロディー第2弾。きょうは電車の中で流れる車内メロディーです。それでは…

≪広島駅発車チャイム♪≫

先月3日、広島電鉄駅前大橋ルートの開業にあわせて、駅や電車の中で使われるメロディーが一新されました。
それを作曲したのが、てつたまのテーマソングを制作した「にかもとりか」さんだったのです。
これまで、電車の中でよく聞いていたあのメロディーの数々がどう変わったのか?広電千田車庫で確認します。

【広島電鉄電車営業部営業課 奥野花菜さん・にかもとりかさん・野川キャスター】
「今、私たち800形の車内におりますけれども、ここをホールにしてですね」
「ホールね、広電ホールへようこそ」
「ようこそ。この環境で車内メロディーを堪能させて頂こうじゃないかということです」
「まあ、ご堪能くださいよ」
「作曲者おりますけどもね」
「何をまず流してくださるんですか?」
「これまず大まかに4種類。始発駅を出た辺りのメロディーと。乗換駅ですね、にかもとさんがお好きだった、この以前の」
「激押しのね」
「そうそうそう、乗り換えメロディーですけれども、そこと、原爆ドーム前とね、到着の時の鐘の音と、そして最後に終着駅に着くところ。4つのメロディーということで」
「厳選された4つ」
「ええ。新曲を聞くにあたって、以前の8月2日まで使われていたこの車内メロディーの確認をまずはしようと。新旧聞き比べでございます。まず、始発駅を出たところ。昔の8月2日までのメロディーでございます」

≪旧出発チャイム♪≫

「これですね」
「ちょっとキュンとなる。ははは」
「今聞くと…」
「そう!もうなんかこれだった。なに?高校の時に聞いていた曲で受験を思い出すみたいな懐かしさがある。1カ月なのに」
「これももちろんね、新しくなったということで。よろしくお願いします」

≪新しい出発チャイム♪≫

『この電車は2号線、紙屋町西経由広電宮島口行きです』
「おおおー!チャーン、チャンチャン。いいですね、始発駅を出て今から物語が始まっているよと。そんな感じが致しました」

「察知能力、高!そうなんですよ、野川さん的に考えて出発っていうと出発…」
「進行!」
「だから元気いっぱいじゃないですか?でも元気いっぱいなメロディーを作っちゃうと、土日はいいんですよ。観光に来たとか、遊びに来ている人たちとかは、いいのだけど。基本的にはレギュラー陣(通勤・通学客)ですから乗ってくださる方は」
「レギュラー陣」
「レギュラーメンバー」
「広島の皆さんね」

「そう。すると月曜日から『よっしゃ行くぞ!』火曜日、『よっしゃ行くぞ…』水曜日あたりから『ちょっとこれだと』となるので」
「そうだ水曜日、しんどいんですよね」
「そう水曜日辺りからね。逆にまず乗って、『深呼吸して欲しいな』と思って、作っています」
「なるほど。だから柔らかい優しい感じのメロディーに、あえてしてるってことですかね?」「そう。あ、そうだ、そうだ。今日は何があったんだっけとか思いながら、学校だったり、会社だったり、行って欲しいなあと。ねえ?奥野さん」
「奥野さんもね、このメロディーの開発の段階から携わってこられましたけど。開発の段階において奥野さん、コンセプトといいますか。こういったことをイメージできるような曲になるといいなというのは?」
「やっぱり広電らしさっていうところかなと思いまして。広島駅はJRとの接続駅でもありますし、鉄道っぽさもありつつも、やっぱり広電って言ったらちょっと牧歌的というか。優しいようなメロディーで、耳障りではないっていうところを一番オーダーするときに重要視していましたね」

「裏テーマっていうのがあって。出発がある、なら終着があるとか、で乗り換えがあったりするんですけど。それをまるで市内RPG。冒険っていうテーマにしてるんですよね。なんかこう、一息つくところに入ってくる。で、乗り換えて行く。で、到着したら、こうだ!みたいなストーリーがあります」

続いて、にかもとさんこだわりの乗り換えチャイムです。
まずは以前のメロディーから。

≪旧乗り換えチャイム♪≫

【広島電鉄電車営業部営業課 奥野花菜さん・にかもとりかさん・野川キャスター】
「これですね」
「もう祈りたいもん」
「讃美歌みたいなね?」
「だって讃美歌で使われている音階なんですよ、これ。なんかもう、ここで祈りたいと思うわけ。世界中に本当無くないです?こういうの。1回言ったんですよ。『これ、残したらいいんじゃないですか』って」
「新メロディー作曲者が『残したらいいんじゃないか』と思ったメロディーってことですよね」
「くらい『好きだったんで…』と思ったけど、『いやいや、新しくしましょう』それなら『私、継承します!』と思ったんですよ。いわゆる音階ってシリーズがあるんですけど。
そのシリーズを『使ったろー!』と思って」
「この乗り換えメロディーについては、広電側からのオーダーがほとんどなくて。にかもとさんの、もう思いだけで作られた様な…」
「そうだったんですか?広電側からのオーダーが、ここに関してほとんど入ってなかったというのは、にかもとさん私、ちょっと驚きました」
「私の愛っていうか、圧の強さ」「愛、圧。一文字違いですけど、ずいぶん違う話ですね」「そうなんですよね」

「乗り換えの電停の新しいメロディーをちょっとここで。お願いします」

≪新しい乗り換えチャイム♪≫

「次は、八丁堀。八丁堀です」
「どう?継承できてました?」
「継承できていたんじゃないですか?これ、改めてにかもとさん、どんな思いをメロディーに込めたんですか」
「これは先ほどRPGって話が出たと思うんですけど、『乗り換える』っていうことは、『異世界に行く』だって私は思ってるわけです。で、最近、異世界アニメとかそう流行ってるでしょ?」「異世界転生みたいなね…」
「そう異世界転生みたいなね。で、その時って割と同じ音階が使われてるんですよ。それがさっき言った祈りチームの音階なんですよ。『もう、これしかないじゃん』と思って、その音階を使って『乗り換えるぞ!』という気持ちとともに、『次の冒険の道に行くぞ』っていう風に思いを込めて作りました」
「結局、乗り換えの所って、今まで『フー』って気持ちよく乗ってた人が、『そうそう、八丁堀。八丁堀だ』ってこうなる気持ちも生まれなきゃいけないわけで…」
「そうなんですよ」
「そこの部分でしっかり異世界に移るところとリンクしている」
「『あ!過ぎてた』ってなっちゃいけないので、このメロディーをしっかり覚えて、乗り換えする人にはね、ちょっと肌に馴染んでいただけたらと思いますよ。

もう本当に乳液ぐらいついてますから」
「そうそうそうそう、質の良い乳液ね」
「ありがとうございます」
「べたつかないやつね」
「そう。高級乳液ですからね。何の話?ごめんなさい」
「曲の、曲の品評の話じゃない」
「そうそう」

尽きることが無い、新しい広電のメロディー談義…次回も続きます!

テレビ新広島
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