福岡県大川市の家具卸大手「関家具」が、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」が出資する投資ファンドに買収されることが分かりました。
市の内外からは期待の声が上がっています。
◆街の人
「すごいなと思う。家でも使っているのがあるけど、手の届かない感じになってしまうのでは」
「これからどうなるのかめっちゃ楽しみ」
「見た目が豪華な、でもいろんな人が手に取りやすいものを作ってくれたら」
福岡の街の人が驚きや期待感を示したのは、大川市に本社を置く「関家具」買収のニュース。
「ルイ・ヴィトン」が出資するアメリカの投資ファンド「Lキャタルトン」が、9月末までに関家具の株式の過半数を取得することが発表されたのです。
関家具は全国4700店舗の家具店や通販会社と取引があるほか、自社ブランドを展開するなど全国でもトップクラスの家具卸で去年5月期の売上高は185億円に上ります。
この買収について、関家具の本社がある大川市の市民は…。
◆大川市民
「(大川市でも)関家具さんが一番ではないかな。大きくなって、どんな風になるんだろうって」
「大川自体にすれば良い方に転んでもらわないと、廃るばかりだから、期待はある。ネームバリューがよかろうけん」
「僕らの大川市にヴィトンという世界の有名ブランドがはさまってきて、そこからどんどん世界に関家具が発展してくれたらうれしい、誇らしい」
買収する「Lキャタルトン」はアパレルや食品など、消費者向けビジネスに強みを持っていますが、日本の家具業界に出資するのは初めてです。
この知らせ、市のトップはどう感じたのでしょうか。
◆大川市 江藤義行 市長
「投資会社なので利益を求めていくので、ドライなところもあるのかなと。大消費地の関東などに拠点を移すのではないかとか」
不安感もあると話す市長、ただそれ以上に期待感も大きいと言います。
◆大川市 江藤義行 市長
「さらに大きく設備投資をして、大川の名が日本国内だけではなくて、世界中に知れ渡るという期待感はある。だから前向きに考えている。“絶好のチャンス”というくらいに持っていきたい」
市の内外から期待が高まる今回の買収劇。
関家具の春田秀樹社長は、「さらなる中長期的な成長と企業価値向上を実現してまいります」とコメントしています。
関家具は1968年の創業以来ずっと黒字経営が続いている企業で、特にここ最近は自社ブランドの販売でも売り上げを伸ばしてました。
一方、買収するアメリカの投資ファンド「Lキャタルトン」は、日本での投資は8件目ですが、家具業界は初めてです。
これまでの実績としては神戸牛のレストランチェーンなどの買収があり、このところ、日本での投資を進めています。
今後は、関家具が扱う商品やブランドのイメージが変わることはないということで、店舗の拡大や通販の強化をこのファンドがサポートすることになりそうです。