数々のピアノコンクールで優秀な成績を収めている女子高校生ピアニスト。秋田市の進学校で学ぶ彼女は、音楽大学への進学を目指す受験生だ。幼い頃から大好きだったピアノを多くの人の前で演奏し「観客の心に響く音色を届けたい」と、ただひたすらに音楽の道を志している。
ピアノ大好き!中2で全国グランプリ
優雅で力強いピアノの音色。演奏しているのは秋田市に住む伊藤未依菜さんだ。

現在18歳の伊藤さんは、これまで数々のコンクールに出場し、中学2年生の時には「カワイピアノコンクール全国大会」でグランプリに輝いた。

また2025年6月には、東北で最も規模が大きいとされる「全東北ピアノコンクール」で最高賞の文部科学大臣賞を受賞した。
幼い頃からピアノに触れてきた伊藤さんは、ピアノの先生をしていた母から指導を受けてきた。

ピアノを弾くことが大好きで、一緒にピアノをやっていた兄が練習を始めると、自分がやりたいとピアノを奪って練習していたという伊藤さん。「何回やってもうまくできないときはイライラすることもあるが、それができるようになったときが楽しいので練習を積み重ねている」と話す。
講師が認める“適応力”の高さ
伊藤さんは現在、市内のピアノ教室で講師の佐藤和穂さんから指導を受けている。

佐藤さんのピアノ教室を初めて訪れたのは、伊藤さんが8歳の頃。当時の伊藤さんは、自然体で伸び伸びと演奏する感じの子だったという。

教え子の成長を見守ってきた佐藤さんは「先生が言うことをすぐに直せる適応の速さがあり、他の人にはなかなかない能力だと思う」と、伊藤さんの適応力の高さを認めている。
友人と過ごす時間が息抜き 受験へまっしぐら
コンクールなどのため、県の内外を飛び回りながら高校生活を送る伊藤さんは、友人と過ごす時間が息抜きになっているという。

受験生の伊藤さんの目標は、音楽大学への進学だ。学科試験のほか、ピアノの実技試験などに向け、勉強と練習に追われる日々を過ごしている。
伊藤未依菜さん:
勉強と練習の両立は難しいが、最低限はやるようにしている。できているか分からないけど。
「音楽の道へ」決定付けたのは高2でのソロリサイタル
「将来は音楽の道に」
そんな未来を描いていた伊藤さんを後押しした出来事があった。

2025年3月、高校2年生の時に秋田市で開いたソロリサイタルだ。講師の佐藤さんの勧めをきっかけに、幼い頃からの夢を実現させた。
家族や知人の協力を得て開いた演奏会で伊藤さんは10曲以上を披露し、700席ある会場はほぼ満席となった。

伊藤さんは「皆さんに自分の音楽を届けられる」という喜びを実感した一方で、「時間とお金をかけて来てくれる人がいるからその分、期待以上の演奏をお返ししないといけないという責任を感じた」と語る。
聴いてくれる人に元気や希望などを与えられるような演奏家になりたい。そして、海外で開催される国際コンクールに出場し、活動の幅を広げていきたいと日々鍵盤と向き合う伊藤さん。
多くの人の前で演奏し、観客の心に響く音色を届けるために。高く大きな目標に向かって進む伊藤さんの今後の活躍から目が離せない。
(秋田テレビ)