土地取引の目安となる地価調査の結果が公表されました。
富山駅周辺をはじめとした商業地が4年連続で上昇し、県全体では32年続いた下落が横ばいに転じました。
一方で、能登半島地震で液状化被害などがあった地点では下落が続いています。
地価調査は土地の取引価格の目安となるもので、県が毎年7月1日時点の調査結果を公表しています。
調査は、県内全域の住宅地や商業地など用途別に226の地点が対象となりました。
その結果、県内全体の地価の変動率は、全用途の平均で32年続いた下落から横ばいへと転じました。
住宅地は28年連続の下落です。
商業地はプラス0.5%と上昇率が拡大し、4年連続の上昇となりました。
今回の調査で最も上昇率が高くなったのは富山市牛島町の商業地です。
1平方メートルあたり45万5000円で上昇率は10.4%。
この地点を含め県内の上昇率トップ4はいずれも富山駅周辺の商業地で開発、整備が進む駅前が上昇を続けています。
*たけだ不動産鑑定事務所 竹田達矢不動産鑑定士
「富山駅周辺に商業施設が増えホテルが建設されて、今後も新しい事務所ビルが駅北側に進出する形で駅周辺での商業施設の増加が続いていることで地価が上昇している」
また市町村別にみると、全用途平均で12年連続で富山市と舟橋村が上昇しました。
そうした中、富山市以外で唯一、上昇率トップ10に入ったのが…
*リポート
「立山町の前沢新町です。このあたりは、分譲地の開発が進み新築の家が増えています。富山地方鉄道の五百石駅から徒歩5分。そして、近所にはドラッグストアなどが増えて住みやすさが増しているということです」
上昇率9位タイに入ったのが立山町の前沢新町の住宅地。
立山町は車なら富山市街地から橋を渡ってすぐとアクセスがしやすく、中でも富立大橋のふもとにはショッピングセンターが増え、それによって分譲地が開発される流れが続いています。
物価高騰が続く中、子育て世代からの人気も高いといいます。
*たけだ不動産鑑定事務所 竹田達矢不動産鑑定士
「戸建て住宅については建築費が上がっている。土地建物一体で考えるとかなり高額になってきている。土地の価格を抑えようと考えると富山市内よりも立山町を求める形になってきている」
一方、下落率が最も大きくなったのは、高岡市伏木古国府の商業地でマイナス4.7%。
伏木古府の住宅地でマイナス3.5%など県内では8つの地点が地震の影響により下落したとみられています。
ただ、氷見市栄町では下落率が去年の7.0%から0.5%に縮小するなど、震災を経て住宅や事業所で代わりの土地を探す動きが影響しているとみられ、震災の影響があった7つの地点では下落幅がゆるやかになっています。
実証実験に向けた工事今月11日、液状化対策の実証実験に向けた工事が射水市で始まるなど復旧に向かって歩みを進めている県内の被災地。
その進め方や住民負担も今後の地価に影響するといいます。
*たけだ不動産鑑定事務所 竹田達矢不動産鑑定士
「どの程度、復旧それ以上に整備されるか地元所有者の負担金が出てくる場合には
その分マイナスになる。今後のロードマップを見ながら、価格が動いていくと思う」