「敬老の日」を安全を改めて確認する日にしませんか。シルバーカーや電動車いすなどのシニア向け製品は、使い方を誤ると危険が及ぶ可能性があります。正しい操作を確認するとともに、しっかりとした点検が大事です。事故を防ぐポイントを確認します。
高齢者が荷物を運んだり、歩行の補助として活用したりするのが「シルバーカー」です。便利な製品ですが、正しく使用しないと小さな段差でも転倒する恐れがあります。
事前に医療や介護の専門家に相談し、自分の体に合った高さに調整して使用しましょう。また、使用する道路の環境を介助する人と確認しておくと安心です。さらに、シルバーカーに重い荷物を載せたり、ペットをつないだりするのも危険です。必要に応じて介助してもらいましょう。
「電動車いす」も高齢者の使用が多い製品ですが、道の端に寄りすぎて路肩で転倒したり、踏切で線路の溝にはまったりする可能性があります。また、坂道の途中でバッテリーが切れると、滑り落ちるなどして事故につながる恐れがあります。乗る前にバッテリーの残量が十分か確認するとともに、転倒防止装置などが正常に機能するか点検しましょう。
続いては「電動アシスト自転車」です。年代を問わず利用者が多い製品ですが、高齢者は特に注意が必要です。
製品評価技術基盤機構(NITE)によりますと、2015年度から2024年度までの10年間に全国で起きた電動アシスト自転車の事故件数は762件で、このうち約2割にあたる146件が65歳以上の高齢者によるものです。
大けがをした人の割合は、全年代では347件で全体の約46%。しかし、65歳以上だけを見ると、重傷となったのは約84%に上り、高齢者の事故は大きなけがにつながる可能性がより高くなっています。
自転車に乗る前に、車輪やペダルなどに緩みやがたつきがないか、ブレーキの利き具合は十分かなどを点検しましょう。また、購入から1カ月ほどたったら、初期点検を忘れずに受けましょう。
こぎ方にも注意が必要です。上り坂では、アシスト機能があっても平たんな道より大きな力が必要です。一方、平たんな道でペダルを強く踏み込みすぎると、急発進の恐れがあります。さらに、片足で地面を蹴りながらもう一方の足をペダルに乗せて発進する「けんけん乗り」は、急加速や転倒の原因になります。
快適に安全に毎日を過ごすために、大切な人の生活を守るために、敬老の日をきっかけに製品の使い方を見直してみませんか。