「母親にとっては子供の幸せが第一。だからこそ、子供を比較されたり、陥れられたりするのがつらい。無意識のうちに子供同士を比べてしまうような相手は、避けたほうが賢明です」

少し距離がある相手がお勧め(画像はイメージ)
少し距離がある相手がお勧め(画像はイメージ)

具体的には、物理的・環境的に少し距離のある相手だと、良好な関係を築きやすいという。

「同じ園よりは違う園、同じ学区よりは離れた学区、同じ学年よりは年上・年下の子供を持つ母親、といった具合です。勉強や成長でライバルにならない関係はお互いにとって楽です。職場の先輩ママや隣町の児童館で出会った人など、生活圏が違う相手もいいですね」

独りでも「自分を責めないで」

ただそれでも、ママ友がつくれないという人もいるかもしれない。もし、子供から「どうして〇〇ちゃんのママと仲良くしないの?」と聞かれたら、どう答えるべきか。

「子供は意外と親を見ていますからね。言い訳をするよりは『え、そう見える? そんなことないよ』などとさらっと流すのが、幼心にも一番安心すると思います」

周囲との関係に悩んでいる母親に、なかさとさんはこんなメッセージを送る。

「ママ友がいないだけで、自分を全否定してしまう相談者が多いです。『私にコミュニケーション能力がないから、子供を不幸にしている』と。でも、そんなことは絶対にありません。集まった人たちとの“相性”の問題でしかない。あなたの能力の問題ではないんです」

自分を責める必要はない(画像はイメージ)
自分を責める必要はない(画像はイメージ)

その苦しみは永遠ではない、とも続ける。

「子供は成長すると友達をつくり、自分たちの世界を広げていく。すると、親同士のつながりは薄くなるものです。今の苦しい状態が永遠に続くわけではありません。暗いトンネルは、実はすごく短いんだよ、と伝えたいです」

ママ友の存在は心強いが、いなくても穏やかに過ごすことはできる。わが子との日々を大切にしながら、無理せずに過ごしてほしい。

なかさと
ママ友トラブルのフォーラム「ママ友110番」主宰。ママ友社会をうまく乗り切る方法を研究・伝授しており、雑誌やウェブ媒体でアドバイスを伝えることも。マンツーマンによる丁寧なフォローアップのほかに、定期的に座談会を開くなど、開放的な場所を提供している。一児の母。

取材・文=黒木里奈

プライムオンライン特集班
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