3月8日の時点で被害件数が33都道府県・173件に及んでいることが分かった、高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」の被害。

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「トケマッチ」運営会社の元社長・福原敬済容疑者は、預かった高級腕時計を無断で売りさばいた疑いで現在指名手配されています。

「トケマッチ」に6000万円相当の腕時計を預けていた男性:
預けていたのは、最終的に1月時点では45本預けていました。だいたい6000万円ぐらいですね。

「トケマッチ」に45本の高級時計を預けていたという男性。2022年の秋に福原容疑者に会ったときの様子をこう話します。

「トケマッチ」に6000万円相当の腕時計を預けていた男性:
2022年の10月頃ですね、預託している商品の金額が大きくなってきたので、1回顔を合わせたいと、私から。
気さくな関西の方のような感じでしたね。ちょっと陽気な感じで。もともと不動産をやられていたとは伺っていたので。やはり営業畑の人間なので、話はうまい方だなという印象はありました。

その気さくな人柄に好感を抱いた一方で、思い返すと違和感を覚えた点もあったといいます。

「トケマッチ」に6000万円相当の腕時計を預けていた男性:
あくまで私の主観にはなってしまうんですけど、(私も)時計を仕事にしていますので、時計のかなり専門的な話、そういった話をしてみると、ちょっと返答があいまいというか、ぼかすような形で。

自らも 高級腕時計に関連する仕事をしているという、被害男性。
時計の専門的な話を福原容疑者に振っても、的確な答えが返ってこなかったと言います。さらに、手首に目をやると…。

「トケマッチ」に6000万円相当の腕時計を預けていた男性:
ちょっとうろ覚えなところがあるんですけど。おそらく(腕時計を)つけてなかったと思うんですね。やはり腕時計のレンタル(を運営している)なのと、私も仕事柄この人どういった時計をしているのかなっていうのは、一般の方よりもかなり見ますので。

高級腕時計を生業にしながら、福原容疑者は腕時計をつけていなかったといいます。

見えてきた「計画性」 市場価値の高いモデル執拗に求める

調べが進むにつれて、犯行の「計画性」も浮かび上がってきました。
「トケマッチ」では、2023年11月からキャンペーンを開始、しかし時計を集めていながら、その時期から貸し出しの実績がなかったことが分かったのです。

さらに、会社の解散を発表した1月31日には、男女2人と共に3人で、成田空港から中東・ドバイに向けて出国。出国した1月には、預かった時計を集中して売却していたとみられます。

被害にあった男性によると、売却を意識してか、“市場価値の高いモデル”を執拗に望んでいた福原容疑者。

「トケマッチ」に6000万円相当の腕時計を預けていた男性:
「どういった時計が御社にとっていいんですか?」と確認したら、「ロレックスのスポーツモデルが一番いい」と何度も言われたんですね。
(預託したうちの)12本くらいはロレックスだったんですけど。やはりロレックスは12本帰ってきてないんですね。最初からこういった詐欺行為があったのかなと、思うところがありますね。

被害者によると、ロレックスのスポーツモデルは人気があり市場価値も高いものの、販売数は多いため、「転売しても紛れ込ませやすい」という狙いだった可能性もあるといいます。

警視庁は計画的な犯行とみて、今後、福原容疑者を国際手配する方針です。
(「めざまし8」3月12日放送)