オスの三毛猫

まれにオスの三毛猫が存在する理由としては3つ考えられます。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

1つは性染色体異常。
XXYだと、Yの働きでオスになりますが、Xが2つあるので三毛柄になります。XXYのオス猫は生殖能力がなく子孫を残せません。

2つ目はキメラ。
受精後の発生初期にきょうだい2匹が融合してしまう現象で、例えば茶トラのオスと白黒のオスが融合すると三毛になります。また、体の43%がXYで残り57%がXXだった三毛猫も見つかっています。

3つ目はモザイク。
一個体の一部の細胞が突然変異を起こす現象です。白黒猫のオスの体の一部が突然変異で茶トラになったような場合です。鳥や昆虫では体の右側がオス、左側がメスなど雌雄同体のモザイクも知られています。

キメラとモザイクのオスの三毛猫は生殖能力を持ちます。

三毛猫からわかる生命の神秘。なかなか奥が深いと思いませんか。

富田園子
富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所所属。
幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物の行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。哺乳類動物学者の今泉忠明氏に師事。現在は7匹の猫と暮らす。東京在住。