白や黒、茶トラや三毛など、猫の毛柄はなぜここまで個性豊かなのでしょう。それぞれの模様は偶然の産物かもしれませんが、色の発現は遺伝子の複雑な組み合わせで決まるようです。

猫の毛柄のヒミツや性格の違いなどについて、猫の生態に詳しい富田園子さんに5回にわたる連載で教えてもらいました。

昔はキジトラ柄だけだった

「三毛猫はツンデレ」「白猫はビビリ」など、巷では数多くの噂があります。

それらは当たっているのでしょうか。

(画像はイメージ)
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結論からいうと、毛柄と性格にはある程度の関連があります。

ただ例外はいくらでもあります。例えば、女性の平均身長は男性より低いけれど、背の高い女性はたくさんいるし、女性より背の低い男性もいますよね。それと似たようなことだと思ってください。

現在では、猫の毛柄は多種多様ですが、昔はキジトラの毛柄しかありませんでした。

野生猫の故郷であるアフリカなどの砂漠では最も目立ちにくい保護色だからです。

(画像はイメージ)
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猫の祖先であるリビアヤマネコは現在もアフリカなどに生息し、遺伝子もほぼ猫と変わりませんが、全員キジトラ柄です。

筆者も実際に見たことがありますが、猫よりひとまわり大きいくらいで、これが町中にいても普通の猫にしか見えないだろうなという印象でした。

キジトラは野生猫の毛柄(画像はイメージ)
キジトラは野生猫の毛柄(画像はイメージ)

それが人に飼われるようになり、狩りをする必要がなくなり、敵に襲われる心配もなく、突然変異で生まれた真っ白や真っ黒の猫は珍しがられて大切に育てられました。

その猫がさらに子供を産み、徐々に新たな毛柄が増えていったのです。