白や黒、茶トラや三毛など、猫の毛柄はなぜここまで個性豊かなのでしょう。それぞれの模様は偶然の産物かもしれませんが、色の発現は遺伝子の複雑な組み合わせで決まるようです。
猫の毛柄のヒミツや性格の違いなどについて、猫の生態に詳しい富田園子さんに5回にわたる連載で教えてもらいました。
茶トラの8割弱はオス
「茶トラは巨大な猫が多い気がする…」。かねてより猫好きの間では噂だったこの説は、本当でした。
もともと茶トラにはメスよりオスが多いんです。
理由は、茶トラのオレンジ毛を作る遺伝子O(Orangeの略)は性染色体X内にあるため。

XYのオスは、Oが1つあれば茶トラになりますが、メスは2つ揃わないと茶トラになりません。
サイコロを1つ振って「1」を出す確率と、サイコロを2つ振って両方共「1」を出すのとでは、前者の方が確率が高いですよね。それと同じです。
茶トラの8割弱はオスといわれます。遺伝的に茶トラにはオスが多いため、体格も大きめの猫が多いというわけです。