7月に猛暑日を観測したのが18日を数え、38年ぶりに記録を更新した福井市。その暑さの要因について、村田光広気象予報士が解説します。
◆予想以上に強まった2つの高気圧
<村田気象予報士の解説>
現在、日本列島は2つの強力な高気圧に覆われています。地表付近に広がり、暖かく湿った空気を運ぶ「太平洋高気圧」と、上空に位置し乾燥した空気をもたらす「チベット高気圧」です。
この2つが重なることで空気の流れが停滞し、地表の熱が逃げにくくなり、気温が急上昇するのです。ただ、ここまで勢力が強まるとは予想されていませんでした。
◆台風の下降気流で高気圧の勢力が増強
さらに、現在発生している台風が高気圧の勢力を後押ししている側面もあります。台風は強い上昇気流を伴うため、その周辺では下降気流が強まり、高気圧の勢力が増すのです。
さらに、極端に雨が少なくなってるの要因も、高気圧の勢力が強いということがあります。
福井市では、6月30日から7月29日までの降水量は、わずか23.5ミリ。これは平年の約10%に過ぎません。
この猛暑、少雨の傾向は、少なくともあと1週間は続きそうです。この先、8月5日頃までは晴天れて35度前後まで上がる日が続きますが、7日頃からは雨の降る日が増え、気圧配置にも変化が出てくる可能性あります。これにより、猛暑は一旦落ち着きそうです。
水分補給や冷房の活用、そして水の管理にも十分な注意が必要です。台風の動向にも引き続き警戒をしてください。