筑後地方の飲食店で、男女2人組による悪質な行為が相次いでいる。どんな行為なのか? 2人組が訪れた複数の飲食店を取材した。

店を訪れたのは大人の男女と子ども

2025年7月14日の昼過ぎ、福岡・柳川市内のラーメン店で撮影された防犯カメラ映像。渦中の人物を捉えていた。

店に現われたのは、赤いシャツを着た男性。しかし男性は、食券を買わないまま5分ほど券売機の前で立っていたという。そこへ現れた女性。すると男性はようやく食券を購入し、テーブルへと向かった。

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2人組は、角の一番奥の見えないところに座ったという。ラーメン店の店主は「女の人が手前かな。奥に子どもと男の人がいた。そのときの注文が、普通ラーメン2杯と大盛りラーメン1杯だった」と当時の状況を振り返る。

『ラーメンに紙が入っていたんだけど』

店員が確認するとスープが飲み干された2つの丼のなかに、千切られたような紙が1枚ずつ入っていたという。

それぞれの紙を繋げてみると…

店主は「スープもこうして、濾(こ)してからしか入れない。紙は絶対入ることがない」とすぐに不審に思ったと話す。そして「わざといれない限りは」と付け加えた。

2杯のラーメンに混入していたという紙の切れ端を確認した店主は「コピー用紙をビリっと破いたような感じの長いやつを。それをまた半分にしたようなのが1個ずつ入っている」とさらに不審感を募らせる。それぞれの紙を繋げてみると何と紙は1枚に繋がったのだ。

しかし2人組が、わざと紙を混入させたという証拠はない。「厨房にいたらトイレの角で見れない。客に『入っている』と言われたら、何かしないといけないからドリンクをサービスして」と店主は、お詫びをしたという。

2人組はお詫びに店から提供されたドリンクを飲み、店をあとにした。しかし実はこの2人組によるものとみられる同様の行為は、近くにあるうどん店でも起きていたのだ。

「牛丼のなかに紙が入っていた」

「みんながここで作業するので、ここに貼っている。ずっとクレーマーの顔が、見えるところのほうが頭に入るかなと思って」と店内に貼られている人物画像を説明するのは、柳川市のうどん店の店主だ。

店内に貼られたクレーマーの顔写真
店内に貼られたクレーマーの顔写真

ラーメン店に現れた男性と同じ人物のように見える。男性はこのときも女性と一緒。店に来たのは2025年3月頃のことだったという。

「席は、座敷の真ん中の2番目。2回とも同じ」と女性店員は話す。男性は『ミニうどん付き牛丼』を注文。そしてほぼ食べ終わった頃この店でもー。

『牛丼のなかに紙が入っていた』

男性は、ラーメン店と同じく丼のなかに紙が入っていたとクレームを付けたのだ。店では混入していたという紙を保管していた。

店が保管していた「紙」
店が保管していた「紙」

「ストローのカバーというか、そういう感じの素材。どこを探しても店内には、この素材の紙はない。牛丼を食べ終わる寸前に呼ばれている。『入ってましたよ』と。防犯カメラが付いてるんですけど、ちょうど死角なんです。だから紙を入れている姿は映ってなかった」と店主は話す。

店では謝罪し、代金の1030円を受け取らなかったという。しかし、これに味をしめたのか、それから2カ月後、何と2人組は再び店を訪れたのだ。男性は、またもや『ミニうどん付き牛丼』を注文。そして食べ終わると…。

「ピンポーンと鳴らされて行ったら『紙が入ってました』と言われたので、あっ!あの1回目の人だと思った」と店員は話す。

店員にラーメン店に現れた2人組の映像を見てもらうと「この人!この人です!1回目はこの女性の方と2人で、2回目は3人で」と記憶と合致したという。

ラーメン店に現われた人物の画像を店員に見せると…
ラーメン店に現われた人物の画像を店員に見せると…

ラーメン店とうどん店に現れたのは同一と見られる2人組だったと判明した。

取材によると、この2人組は2年ほど前から筑後地方の飲食店に出没。紙などの「異物が商品に入っていた」と相次いでクレームをつけているというのだ。

筑後地方で悪質な行為を繰り返している2人組。警察は、被害があった場合はすぐに110番通報か交番に相談してほしいとしている。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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