トラックドライバーの時間外労働の上限規制により生じている物流の2024年問題。この輸送力不足を解消するために新潟県内の物流企業と菓子メーカーなどが、1台で大型トラック2台分の輸送量を確保できる連結トラックによる輸送を開始した。
全長25m!“ダブル連結トラック”による共同配送はじまる
7月中旬、新潟県長岡市で25mダブル連結トラックの共同配送出発式が行われた。

全長25mに及ぶダブル連結トラックは、2つの荷台を連結することでドライバー1人で大型トラック2台分、最大約21tの輸送量を確保できる。
従来は2台のトラックで対応していた区間を、荷台を連結したトラック1台で対応できるためドライバーの稼働を減らせる上にCO2の排出量も約40%削減できるという。
ドライバー不足解消・物流効率アップへ
このトラック導入の背景について、朝日物流の髙橋正男社長は「2024年問題が大きなきっかけだが、ドライバー不足が大きな課題だった」と説明。

2024年4月から厚生労働省が定めるドライバーの労働時間などの基準が改正され、時間外労働に年間960時間という制限などが設けられたことで輸送力不足が全国的な問題となっている。
そうした中で導入された25mダブル連結トラック。今回、埼玉県に向けて商品を送り出した県内の菓子メーカーも荷主として問題意識を共有していた。
ブルボンの吉田康会長は「荷主としても複数が一緒になって進んでいこうということでも今までなかった協力をし、新しい当たり前を構築していきたい」とし、岩塚製菓の槇大介COOは「製造メーカーの立場として、作って終わりという時代ではなくなったと改めて感じている。社会の課題解決に寄与するような取り組みを推進していきたい」と話した。
新潟⇔関東「幹線輸送の充実へ」
今後は新潟県と埼玉県の間を週2~3回の頻度で往復運行することが計画されている25mダブル連結トラック。

朝日物流の髙橋正男社長は今後について「輸送量も効率化できると思うし、CO2の削減にもつながると思う。車両の増車とともにドライバーの育成をして、新潟県と関東の幹線輸送の充実を図っていきたい」と話した。
(NST新潟総合テレビ)