米の価格が高騰する中、季節外れの真夏日や猛暑は、農家にとって大きな不安の種となっている。こうした中、佐賀県内では“暑さに強いコメ”として開発された期待の新品種「ひなたまる」の田植えが始まった。

暑さや病害虫に強く高品質

コメの新品種「ひなたまる」は、佐賀県農業試験センターが12年かけて開発した。暑さや病害虫に強いのが特徴だ。

この記事の画像(7枚)

佐賀県内では、「さがびより」「夢しずく」に次いで3番目に収量が多い「ヒノヒカリ」が夏の暑さに弱く、品質の低下が課題となっている。新品種の「ひなたまる」はこの弱点をカバーしているという。

去年(2024年)行われた試験栽培では、「ひなたまる」の10アールあたりの収量が「ヒノヒカリ」の約1.5倍の約600キロとなり、収量アップも期待されている。例年、県内で栽培されてきた「ヒノヒカリ」にかわり今年から栽培が始まった待望の新品種だ。

コメ農家・川崎晴喜さん:
ひなたまるは品質的にもしっかりしており、あっさりしておいしいお米です。そして大粒。とにかく消費者の皆さんに安全安心なお米を届けられるよう、頑張りたいと思います

新品種に期待を込めて田植え

佐賀・白石町にあるコメ農家、山口智章さんの水田では、6月20日、「ひなたまる」の田植えが行われた。43アールの田んぼに15センチほどに成長した苗を植えていく。

新品種「ひなたまる」の田植え(佐賀・白石町)2025年6月20日
新品種「ひなたまる」の田植え(佐賀・白石町)2025年6月20日

山口さんは「ひなたまるは高温にも強いというところに期待している。名前にもあるように『ひなたまる』ということで消費者の方の食卓がほっこりするような品物になればいいなと」新品種への期待を語った。

田植えを終えた「ひなたまる」の苗
田植えを終えた「ひなたまる」の苗

「ひなたまる」は佐賀県内の水田1400ヘクタールで田植えが行われる。県などによると「ヒノヒカリ」と同様、県内と九州を中心に主に業務用・外食用として使われる予定で、価格は「ヒノヒカリ」と同じ水準を目指すという。

コメの高騰で価格の先行きが懸念される一方、農家の地道な努力が続いている。

(サガテレビ)

サガテレビ
サガテレビ

佐賀の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。