日中に「暑いな」と感じる日が増えてきた今、エアコンの出番が近づいている。鹿児島では、クリーニング業者への依頼が年々早まり、4月中旬からすでにフル稼働の状態だ。さらに「2027年問題」と呼ばれる省エネ基準の大幅引き上げを前に、家電量販店では駆け込み購入が前年比120%増と急増している。夏本番を前に、エアコンをめぐる動きが慌ただしくなっている。
4月から依頼殺到——「5月はほぼ予約で埋まっている」
九州を中心にハウスクリーニング業務を展開するアイ・コーポレーション鹿児島店では、エアコンクリーニングの依頼が年々早まっているという。今年も4月中旬から依頼が増え始め、県内では1日30件ほどの対応をこなしている。5月はほぼ予約で埋まっている状態だ。

5月14日には鹿児島市内の保育所に設置された3台のエアコンをクリーニング。種類にもよるが、1台あたり約1時間で作業を終える。
同店の市来和宏店長は「一番のピークはこの時期から、5月から6月。忙しくなってきます」と話す。

チェックリストで確認——「内部の汚れは健康にも電気代にも影響する」
同社ではエアコンのチェックリストを作成し、顧客への案内に活用している。以下のような項目が含まれる。
- つけると臭う
- 風量や冷えが悪い
- 吹き口を覗くと黒い点がある

一つでも当てはまれば、クリーニングを勧めているという。
市来店長は「内部が汚れているとカビやほこりを吐き出してしまうので、健康面とかに影響する。フィルターや熱交換器が詰まってしまうと、電気代にも影響する」と指摘する。

年に1度のプロによるメンテナンスに加え、個人でできることとして月1回のフィルター掃除を実践するだけでも、省エネや電気代の節約につながるという。
「2027年問題」とは——低価格モデルが消える可能性
エアコンをめぐっては、もう一つ見逃せない問題が浮上している。鹿児島市内の家電量販店には、『今ご覧のお得なエアコンが製造終了!?』というポップが掲げられていた。いわゆる「2027年問題」だ。

2027年4月以降、家庭用エアコンの省エネ基準が大幅に引き上げられる。新基準を満たさない低価格モデルは、製造・販売できなくなる可能性がある。同じモデルで比較しても、新基準を満たしたものはそうでないものより価格が10万円近く上がるという。
ビックカメラ鹿児島中央駅店の福岡和さんは「前年と比べても120%アップの売れ行き。シンプルなモデルを選ぶ場合、2027年度以降の基準ではない。お手軽なモデルを選ぶお客様が多い」と説明する。

省エネモデルへの補助金も——初期費用か、長期の電気代か
一方、新省エネ基準を満たしたモデルは電気代が安くなる可能性もある。鹿児島市では省エネ家電購入に適用できる補助金制度があり、これを活用して新基準対応のエアコンを購入する人もいるという。
福岡さんは「初期費用を多めに出して今後の電気代を抑えるのか、初期費用をお手頃なものにするか、それぞれの選択になる」と語る。

中東情勢による電気代の値上がりという背景もある中、「今のうちに安いモデルを押さえておきたい」という動機と、「長期的に電気代を節約したい」という動機が、消費者の間で交錯している。
暑い夏は目前だ。エアコンクリーニングの予約は今からでも早めに動く必要があり、購入を検討しているなら2027年問題の影響を踏まえた選択が求められる。手元のエアコンが「臭う」「冷えが悪い」と感じているなら、まずはフィルターの掃除から始めてみるのが得策だ。
【動画で見る▶エアコンの2027年問題 省エネ基準改定で同型でも最大約10万円差に 駆け込み増加 】
