資格取得に関心を持つ高校生が増える中、「なぜみんな資格を取るの?」という疑問から、広島市の崇徳高校新聞部が1~3年生58人にアンケートを実施。生徒たちのリアルな声から今どきの“資格事情”が見えてきた。

資格取得が高校生活の一部に?

「高校生で資格なんて、自分のころには考えられませんでした」
加藤雅也キャスターの言葉に共感する人も多いだろう。
しかし、今どきの高校生は“資格取得”に関心が高い。推しはK-POPグループ「RIIZE」という崇徳高校3年・新聞部副部長の洲濵侑さんもその一人だ。

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「私は中学で英検3級、高校で英検2級を取りました。それとサッカー審判4級、あと金融リテラシー検定も取得しています」
「金融リテラシー検定って?」
「高校1年の家庭科で取りました。金融トラブルを防いだり、資産形成の力をつけるための検定です」

金融リテラシー検定とは、悪質な契約・詐欺・借金などの金融トラブルを未然に防ぎ、正しい資産形成や消費行動ができる力を身につけることを目的とした検定。2022年から高校家庭科で「資産形成」が必修になったことを背景に、この検定を取り入れる学校が増えている。
洲濵さんのように「1年生の家庭科の授業で取得した」というケースは、今後も広がる可能性がある。

人気資格は「英検」一強

新聞部は今回、崇徳高校1~3年生の58人を対象に資格についてのアンケートを実施。
「今、持っている資格は?」という問いに対し、すべての学年で最も保有率が高かったのは「英検」だった。

「理由はやっぱり大学入試に使えるからです。たとえば広島大学は英検準1級を持っていると共通テストの英語を満点扱いしてくれたり、関東の大学では“何級以上を持っていないと出願できない”という学部もあると聞きました」

生徒の進路にプラスになる英検は根強い印象。取得理由には「親のすすめ」や「モチベーションのため」という回答もあった。洲濵さんが話していた英検準1級は、高校生にとって高難度の資格で、語彙力や読解力も大学レベルが必要とされている。

TOEICなど就職見据えた資格も

では、今後取得したい資格は?
このアンケート結果でも「英検」が上位に。高校3年生の回答には「TOEIC」の文字もあった。

【今後、取得したい資格】
 1位 英検
 2位 漢検
 3位 数検
 4位 TOEIC
 5位 簿記
(崇徳高校1〜3年生の58人に調査)

そのほか、「宅地建物取引士」「社会福祉士」「公認会計士」「秘書検定」「日本化粧品検定」など回答は多岐に渡っている。
「こんなに資格の種類があるんだと驚きました。TOEICについては大学入試のためだけでなく、その先の就職活動を見据えて取得している人もいて、それは自分の中で大きかったです」
洲濵さんは、同世代がこれほど資格に関心を持っていることに驚き、改めてその意識の高さを感じたたようだ。

今回の取材やアンケートをきっかけに、こうした資格取得を単なる“個人の努力”として終わらせず、学校全体で後押しする動きにも期待したい。

崇徳高校新聞部とは?
広島市西区にある崇徳高校の新聞部で、2023年度は部員数200人を超えるなど全国でも有数の規模を誇る。G7広島サミットのような国際的な会議から、平和・社会問題、今どきの高校生事情まで幅広く取材し、生徒の声を丁寧にすくい上げる活動に定評がある。
2021年〜2023年度には、全国高等学校総合文化祭の新聞部門で最優秀賞を受賞した実績も。情報発信力や企画力に加え、生徒ならではの独自の「視点」が注目されている。

(テレビ新広島)

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