「高校の修学旅行のおこづかいって一体いくら必要なの?」親世代も気になるこの疑問を、広島市西区にある崇徳高校の新聞部が独自調査。実際に校内で発行された新聞記事をもとに、若い世代の感覚で伝えてもらった。
「3万円程度」の“程度”って?
崇徳高校新聞部は、部員数150人を超える全国有数の新聞部。平和、社会、スポーツからG7広島サミットのような国際的な会議まで取材し、2021年~2023年度には全国高等学校総合文化祭の新聞部門で最優秀賞を受賞した注目の存在だ。

今回は「修学旅行のおこづかい」について、崇徳高校2年・新聞部副部長で趣味はヘアセットという丸山太一さんに伝えてもらった。
加藤雅也キャスター:
崇徳高校の修学旅行はどこへ行ったんですか?
崇徳高校2年 新聞部副部長・丸山太一さん:
沖縄方面と関東方面の2つから選べ、私は関東方面へ行きました。中学校の時の修学旅行が新型コロナの影響で大阪から近場に変更されたんです。そういった面でも非常に思い出に残る4日間でした。
修学旅行の出発前、丸山さんが特に気になったことは「おこづかいをいくら持っていくか」。
そこで新聞部は修学旅行に参加した同級生など約300人に取材。すると、もっとも多かったのが「3万円~4万円」という結果になったという。

崇徳高校の生徒が修学旅行に持っていった金額
4万円以上 78人
3万円~4万円 157人
2万円~3万円 68人
5,000円~2万円 7人
5,000円未満 3人
加藤キャスター:
学校から「おこづかいの上限」などルールはありましたか?
丸山さん:
学校は「3万円程度」ということでした。ただ、この“程度”が悩ましいところで、私は親と相談して予備のお金も含めて4万円を持っていきました。新聞のグラフの「青色」と「灰色」が「余った」人の割合で、結果的には「2万円~3万円」がちょうどいいおこづかいの金額だということがわかりました。
崇徳高校の生徒の場合、修学旅行に3万円以上のおこづかいを持っていった生徒の割合が全体の75%を占めていて、そのうち「余った」「とても余った」と答えた人は半数以上。一方、2万円~3万円のおこづかいでは「ちょうどよかった」という回答が37%と最も多く、余った人は半数以下だった。
加藤キャスター:
ちなみに、丸山さんはいくら使ったんですか?
丸山さん:
私は結局、2万円くらいです。そのうち1万8000円ほどは家族や友達へのお土産に使いました。意外にもお金を使う場面や時間が少なかったという実感です。
電子決済禁止は利便性が悪い
今回、崇徳高校の修学旅行ではペイペイなどの電子決済の活用が禁止された。そのことについて、イマドキの高校生らしい意見も新聞に掲載されている。

記事によると「電子決済は現金より荷物がかさばらないから、使えるようにしてほしかった」と話す生徒もいた。
丸山さん:
実は私も共感できるところがあります。現金を持ち歩くというのは荷物にもなりますし、私の場合は4万円という大金を持っていったので、なくしたときや慣れない土地での盗難リスクを考えても利便性が悪いなと感じました。
これに対し、番組コメンテーターの広島大学大学院・吉中信人教授は「こういう時代ですから電子決済でいいんじゃないですかね。どのように使うかも自主性を持って決めてもらうっていう形がいいと私は思います」とコメント。

加藤キャスター:
ちなみに、関東方面と沖縄方面でおこづかいの消費に違いはありましたか?
丸山さん:
沖縄方面に行った人たちの方がお金をよく使っています。沖縄方面に行った友達に話を聞いてみると、サングラスだったり友達でおそろいのTシャツを買ったりしていて、自分へのお土産を買う人が多かったようで差が出たのかなと思います。
加藤キャスター:
丸山さん、ありがとうございました。
気になる修学旅行のおこづかい事情。小学校、中学校、高校で金額が上がっていくのは仕方ないが「思いのほか、高い」という印象を受ける。「3万円まで」ではなく「3万円程度」とする学校側の配慮も親の立場からすると悩ましい…。そんな生徒や保護者のモヤモヤを学校新聞で取り上げる視点は、さすが全国トップクラスの新聞部と言える。
(テレビ新広島)