生産者の指定する保存方法を遵守

カビを発生しにくくする方法も教えてもらおう。

カビは、温度、湿度、カビの栄養となるものが多く、空気が十分にあるところで発生しやすい。「環境さえ整っていれば、カビは短期間で発生する」と岸田さんは話す。

「家庭でカビが生えやすいのが食パンです。袋をしっかり締めずに放置すると、2~3日ほどでカビが生えると言われています。他の食材も、カビにとって良い環境であれば、数日~2週間ほどでカビが生えてきます。なお近くにカビが生えている食品があって、胞子がたくさん飛んでいて、かつ高温多湿だったりすると、すぐに汚染が始まります」

食パンはカビが生えやすい(画像はイメージ)
食パンはカビが生えやすい(画像はイメージ)

そこでまずやるべきことは、生産者や製造元が指定する正しい保存方法を徹底することだという。

「どの食品にも必ず適した保存方法があります。まずは、いま家にある食品が正しく保存されているか見直すことから始めてみてください。例えば要冷蔵のものを常温で保存してしまったなど、生産者が想定していない状態で保存したものがある場合は、たとえ短期間でも、食べずに新しいものを購入しましょう」

粗熱を取ってすぐ冷蔵・冷凍を徹底

自宅で調理した際は次のことに気を付けてほしいという。

「粗熱を取った後に保存容器に密閉し、速やかに冷蔵・冷凍保存してください。ただし、粗熱を取らずに冷蔵・冷凍してしまうと、容器の中で結露が発生し多湿の環境を生み出してしまいますので逆効果になってしまう場合があります」

少しカビがついているだけだから大丈夫。取り除けば平気。こうした考え方の積み重ねが、未来の家族や自分の健康に害を及ぼすかもしれない。高温多湿な時期こそ、食品の保存方法を見直してみよう。

(蒸し暑い時期に注意したい食中毒と対策はこちらの記事へ)

取材・文=内山直弥

プライムオンライン特集班
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