お弁当づくりで多くの人が意識する「彩り」が、実は夏の食中毒リスクを高めているかもしれない。予測微生物学が専門で食中毒細菌の研究も行う北海道大学教授の小関成樹さんに、夏のお弁当に入れない方がいい食材や、「新鮮=安全」という思い込みの誤りについて聞いた。

鮮やかな弁当ほど危ない? 

食中毒対策という観点では、特に夏のお弁当には「彩り」を求めない方がいいと思います。彩りを意識すると生野菜を入れることになりますが、生野菜には植物由来の菌が多く残存しているためです。

そうしたリスクが高い食材で、なおかつお弁当によく入っているものの代表例はミニトマト。パセリやレタスなどの葉物野菜をちぎったものを入れる方も多いと思いますし、キャベツの千切りなどは仕出し弁当でもよく入っています。食中毒予防の観点からすると、こうした生野菜はリスクが高いのです。

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焼いたり煮たり揚げたりした食材は、火が通ることで植物由来の菌の多くは死滅しています。一方で、生のままの食材には菌が多く残存しています。たとえばレタスの葉には、1グラムあたり10万〜100万個レベルの菌がついていることもあり、水での洗浄や各種の除菌処理でも、すべてを取り除くことは難しいのです。

そのため、ポテトサラダのように加熱した食材がベースの料理も、生のキュウリなどを混ぜ込んでしまうと、生野菜由来の菌が混入してしまいます。

なお市販のカット野菜の多くは、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水で殺菌処理がされていますが、それでも菌は完全には落としきれません。むしろ殺菌処理に耐えるような強い菌だけが選択的に残ってしまい、環境が良くなるとすごい勢いで増殖することもあります。そのため「消毒されたカット野菜なら生でも安全」とは言えません。

ちなみにミニトマトについては、特にヘタの部分に菌が多く付着しています。もしお弁当に入れるなら、ぜひヘタを取ってから入れてください。それだけでもリスクを下げることができます。

「普段どおり」火を通せばOK

食中毒対策として大事なのは、しっかり火を通した食材を使うことです。