夏のお弁当の食中毒対策といえば、「手洗い・消毒」「梅干しを入れる」などを思い浮かべる方が多いはず。ところが、予測微生物学が専門で食中毒細菌の研究も行う北海道大学教授の小関成樹さんによれば、「温度管理」以外の対策は気休め程度だという。正しい「温度管理」のやり方について聞いた。
25℃を超えると爆発的に増殖
夏場のお弁当作りにおける食中毒対策で一番大切なのは、「冷ます工程」を中心にした温度管理です。
というのも、菌の増殖には温度、pH(酸性・アルカリ性の度合いを示す指標)、塩分濃度など複数の要因が関わってきますが、その中で圧倒的に影響力が大きいのが温度だからです。
私が研究する予測微生物学では、目に見えない菌の増殖を数学的に計算・解析しています。
例えば食中毒菌として知られるサルモネラ菌は、20℃の環境ではゆるやかにしか増えませんが、25℃を超えると一気に増殖。4〜5時間で100倍、1000倍に達することもあります。その増殖の速度は、2度の上昇で4倍、4度の上昇で16倍と、二乗に比例するように爆発的に増えていくのです。
梅干しも濃い味付けも気休め?
pHを下げる(酸性に傾ける)ことも効果がないわけではなく、梅干しをご飯に乗せれば、確かに周辺のpHは下がって菌の増殖は抑制されます。
