海から帰って来た後は、患部を消毒してから保冷剤を当てるなどして冷やし、安静にするのが基本。浴槽には浸からず、ぬるめのシャワーで済ませるのが望ましいという。
少しでも気になるなら病院へ
そして「痛みや腫れが長引く場合は、病院(皮膚科)に行った方がいい」と永井さん。
「通常だと刺された痛みは割と早めに消えるのですが、痛みや腫れが続くなど少しでも気になるようでしたら医者に診てもらってください。呼吸が苦しいなどの症状が出る可能性もあります。その場合、救命・救急対応も考えられます」

カツオノエボシは、浜に打ち上げられた“きれいな青い個体”にうっかり触れて、被害に遭うことも目立つそうだ。
子供は大人に比べて身体が小さく、皮膚も薄いために症状が激しくなりがち。海に行くなら見守ることを忘れないでほしいそうだ。

ちなみに、海にいるライフセーバーは、刺された時の対処法や緊急時の連絡先を把握していることが多いそう。刺された後の対応に迷った場合は、相談してみよう。
特集班スタッフのように、海がつらい思い出の場所にならないためにも、対策をしてみてはいかがだろうか。
(詳しい生態と予防対策はこちらの記事へ)
永井宏史(ながい・ひろし)
博士(農学)。東北大学卒業、東北大学大学院修了。民間企業の研究員などを経て、現在は東京海洋大学海洋資源環境学部の教授を務める。海洋生物が持つ毒素の構造、作用するメカニズムなどを研究している。