永井さんによれば、まずは溺れない安全な場所に移動することを優先する。その際は「もがかないでほしい」という。
「暴れたりすると触手がさらに巻き付くことになりかねず、救急車で搬送されるような状態になることもあります。もがけばもがくほど、危険と考えてください」
こすったりすると発射のトリガーに
やってはいけない“NG行動”は、張り付かれた部分をタオルなどでこすったり、砂ではらおうとしたり、水道水で洗い流したりすること。

カツオノエボシの“毒針”は刺激に反応するので、発射のトリガーになってしまうのだ。
「皮膚に張り付いた触手には、未発射の“毒針”も数多く残っています。刺激を与えるとそれらが発射してしまい、症状もさらに悪化することにつながります」

では、肝心の触手はどうすればいいのだろう。
大切なのは、焦らない・慌てないこと。安全な場所に移動できたら、近くの浅い海に患部を浸けて触手を指の腹でやさしく剥がしてみよう。
海水はカツオノエボシが生活している環境なので、“毒針”の発射を最低限に抑えつつ、取り除くことができるという。
早めに自宅に戻ろう
「触手は粘着質で『とりもち』のようです。剥がすとビリビリとした感覚があり、簡単ではないかもしれませんが、我慢して全て剥がしてください」
この際にあれば便利なのがピンセット。つまむことで剥がしやすくなるそうだ。
その後は患部を海水で洗い、タオルで「ポンポン」と軽く押さえるか、自然乾燥させると良いという。容態は変わるかもしれないので、早めに自宅に戻るようにもしよう。