クラシックのコンサートでは「未就学児の入場は不可」とされることが多いのですが、先日、熊本市内で開かれたコンサートは、赤ちゃんも大歓迎。
「泣いてもOK」「演奏中の出入りも自由」という、県内では初開催のコンサートを取材しました。

【演奏】

福岡を拠点に活動する、九州交響楽団です。
1953年に創立されたオーケストラで、九州各地で年間約150回の演奏活動を行っています。
この演奏に耳を傾けるのは…赤ちゃんや子ども、そして保護者たち。
コンサート名は『九響 0歳からのオーケストラ』。

九州交響楽団による、赤ちゃんも来場できるコンサートは、これまで福岡県では開催されてきましたが、それ以外の九州では今回が初めてです。

【九州交響楽団 広報(熊本市出身) リシェツキ多幸さん】
「胎内では5カ月くらいから赤ちゃんは外の音が聞こえているらしい。ママの声や外の音が聞こえ、『胎教にクラッシックがいい』といわれたりもする。本物に触れることを通して子供の感性が磨かれ、豊かな日々を送ってほしいという思いが、演奏会には込められている」

多くの赤ちゃんの来場が見込まれたため、元々ある授乳室に加え、手作りの授乳室やミルクコーナーも設置。
そして、おむつ替えの場所も用意されていました。

【浜田友里子アナウンサー】
「ベッドの横にはおしりふきにゴミ袋まであります。ここまで揃えてあるスペースは
そう多くない印象です。子供と一緒のお出かけは荷物が多くなりがちなので、非常にありがたいです」

【来場者】
「すごく助かる。トイレが混んでいるだろうと思ったからすぐ替えられたから助かった」

また、開演前には特別に楽団員自ら出迎えるという演出も。
初めての場所や人にドキドキする子どもたちを、優しく和ませました。

【6カ月の子どもと来場】
「ピアノとかバイオリンの音を聴かせてみたくて来た」
「(子どもが)音楽自体を好きなのかなと思っている」

【1歳7カ月の子どもと来場】
「なかなかコンサートを聴く体験が、大人もそうだし、0歳が入れるのもないので、ありがたい。外に出るきっかけも増える」

さて曲目ですが、童謡やアニメソングではなく本格的なクラシック。
チケット代も、たくさんの子どもたちに聴いてほしいと今回、子どもは1000円。
3歳未満で抱っこならば無料です。

(今回の大人料金 3000円)

これも、「本物」に触れてほしいとの思いからです。

(泣いてもOK、出入りも自由 チケットは「完売」
 約1500人が本物の音色を楽しんだ)

【来場者】
「おもしろかった」
「いきなり大きな音が聴こえたから、びっくりした」

【1歳の子と来場】
「最初は座って聴いていたけど、終盤はちょっと飽きてきたかなという感じだった」
「子連れの人も多かったので、あまり気にすることなく、自由に聴くことができて楽しかった」

ところで、普段とは違い非常ににぎやかなコンサート。
楽団員たちは、どのような思いなのでしょう。

【熊本市出身 1児の母 ヴァイオリン 葉石真衣さん】
「きょうのコンサートに関しては全く気にならない。子どもたちの笑い声、泣き声がたくさん聞けて、楽しい時間だった」

【夫・チェロ 山本直輝さん】
「子どもが小さいと行きにくかったりすると思うので、こういう機会を今後もできたらいい」

今回のコンサートは、会場の熊本県立劇場と九州交響楽団が芸術活動に関する包括連携協定を結んだことなどを受けて開催されたもので、「再び実現したい」と前向きです。

【熊本県立劇場 事業グループ 中野萌副長】
「『動く劇場』『開かれた劇場』をスローガンに、たくさんの人に劇場を身近に感じてほしいと思っている。
今回、初めてこういうクラッシックコンサートを実施できたので、また回数を増やしていくようなことも今後、考えていければと思う」

幼いころから、音楽に親しむ機会を…
大人から子どもへのプレゼントです。

テレビ熊本
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