今の小学生を見ていると、挑戦することを避け、失敗や恥をかくことを恐れる子が増えました。
文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023)によると、不登校者数は約60万人です。教員時代をさかのぼっても、挑戦するエネルギーを失っている子たちが増えていて、学校に行くことを拒む子は増加傾向にあります。
赤ちゃんは立つまでに何度も転ぶ
赤ちゃんは、何回も何回も転びます。転ばなかった赤ちゃんはいません。「転ぶ」という「失敗」をたくさんして、立ち上がろうと「挑戦」します。
失敗を繰り返すことは必要不可欠です。人間は本能的にそうやって成長するのです。では、いつから、失敗を恐れるようになるのでしょうか。

それは、人と自分を比べるようになった頃です。まさに、小学生の頃と言われています。
人と比較する年頃になっても、「自分は自分。友達は友達」と自分を受け入れられるマインドが大切です。そのマインドは、親の日々の声かけでつくることができるのです。
挑戦したことをたたえ、その後のフィードバックを適切に行ないましょう。
失敗したとき、
「反省しよう。また同じ失敗をしないためにどうする?」
「だから言ったでしょ。次からは気をつけるんだよ」
「お父さんお母さんは悲しい」
などではなく、冷静に対応し、
「今回、失敗から学んだことは何だろう?」
と問いかけるのです。