小学校に入学したり学年が上がったりして交友関係が広がると気になるのが、子どもの友人関係だ。

二児の父親で、小学校教師の経験もあるベネッセ教育総合研究所・主席研究員の庄子寛之さんは、子どもの友人関係で言いがちな「どんな子とも仲良く」といった声かけよりも大事な視点があるという。

子どものやる気を引き出して自ら学ぶ子へと育てる「声かけ」のヒントが詰まった、著書『子ども教育のプロが教える 自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』(ダイヤモンド社)から一部抜粋・再編集して紹介する。

なぜ?が問題解決能力を育てる

子どもの友人関係が気になります。親が介入していいのでしょうか?
→同じ興味をもった仲間が自然と友達になる

好奇心の芽は「なぜ?」の気持ちから生まれます。大人でも好奇心をもって行動することは難しいです。「時間のせい」「能力のせい」「お金のせい」などにして、毎日を淡々と過ごしています。それは、とてももったいないことです。

好奇心は「なぜ?」から生まれていく(画像:イメージ)
好奇心は「なぜ?」から生まれていく(画像:イメージ)
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「なぜ?」と思うためには、「『なぜ?』を考えるといいことがある」という思考になることが重要です。解決できない問題を考えたいとは思わないものです。

問題を解決するために大事なのは、同じことに興味をもっている仲間をつくることです。みんなで考えて解決する。

解決できれば、また疑問が生まれます。その疑問をみんなで解決して…というサイクルが生まれます。そうすれば、大人になってからも自分で考えて学び続ける人に育っていくでしょう。

同じ興味をもった仲間と交流を

たくさんの仲間をつくるためには、同じ興味をもった人と交流する機会を積極的につくることが大事です。

「どんな友達とも仲良くすることが大切だよ」
とは声かけしません。
「同じ興味をもっている友達をつくると楽しいよ」
と声かけします。

興味が合う仲間と話すと、子どもの可能性はどんどん広がります。

同じ興味を持つ仲間との交流が大事(画像:イメージ)
同じ興味を持つ仲間との交流が大事(画像:イメージ)

同じ興味をもった仲間と交流させている親は、子どもの興味について一緒に調べたり、話し合ったりしています。

子どもが何に興味をもっているのか、その興味を深めるためのイベントや活動を一緒に見つけています。そして、そのイベントに親子で参加しています。

自分で判断し学ぶ子の親の多くが、とても積極的です。教師時代の保護者で、今でも仲良くしている方はたくさんいます。毎年交流会を開いてくれる親御さんたちもいます。