まず言えるのは、錠剤ではなく飲み物で取ったほうがいいということ。先ほども触れたとおり、錠剤ですとカフェインを摂取しすぎてしまうリスクがあるからです。そして、お酒と一緒に取ることも避けてください。

カフェインは酩酊(めいてい)を自覚しにくくするので、自分がどれくらい酔っているのかがわかりにくくなり、普段より多くのアルコールを摂取してしまいます。すると、酔っていない気がするのに、席を立つときに腰が抜けた、というようなことが起こってきます。

カフェインとアルコールを一緒に摂取するのは避けたほうがベター(画像はイメージ)
カフェインとアルコールを一緒に摂取するのは避けたほうがベター(画像はイメージ)

また、カフェインによって中途半端に興奮し、アルコールの酩酊感によって抑えがきかなくなると、喧嘩が起こりやすくなったりデートレイプを引き起こしやすくなることが報告されています。

ラムのコーラ割りやカルーアミルクといったカクテルは定番ですが、こうした観点からは実はあまりよくないのです。そして絶対やめてほしいのが、居酒屋やカラオケボックスのメニューにある、ウォッカなどのアルコール度数の高いお酒をエナジードリンクで割ったもの。

カフェインでシャキッとするのかアルコールで酩酊するのか、せめてどっちかにしてほしいものです。

お酒とカフェインの相性は悪いということも、ぜひ覚えておいてください。

(カフェインの作用と弊害、依存性や1日の摂取量についてはこちらの記事へ)

『身近な薬物のはなし──タバコ・カフェイン・酒・くすり』(岩波書店)
『身近な薬物のはなし──タバコ・カフェイン・酒・くすり』(岩波書店)

松本俊彦(まつもと・としひこ)
精神科医。薬物依存症や自傷行為に苦しむ人を対象に診療を行う。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長。著書に『自傷行為の理解と援助』(日本評論社 2009)、『自分を傷つけずにはいられない』(講談社 2015)、『薬物依存症』(ちくま新書 2018)、『誰がために医師はいる』(みすず書房 2021、第70回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、『身近な薬物のはなし──タバコ・カフェイン・酒・くすり』(岩波書店 2025)他多数。

松本俊彦
松本俊彦

精神科医。薬物依存症や自傷行為に苦しむ人を対象に診療を行う。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長。1993年佐賀医科大学卒。横浜市立大学医学部附属病院精神科、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所司法精神医学研究部、同研究所自殺予防総合対策センターなどを経て、2015年より現職。著書に『自傷行為の理解と援助』(日本評論社 2009)、『自分を傷つけずにはいられない』(講談社 2015)、『もしも「死にたい」と言われたら』(中外医学社 2015)、『薬物依存症』(ちくま新書 2018)、『誰がために医師はいる』(みすず書房 2021、第70回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、『身近な薬物のはなし──タバコ・カフェイン・酒・くすり』(岩波書店)他多数。