イルカたちがダイナミックなジャンプを決めると、ステージに響き渡る大きな拍手。
能登半島地震の復興のシンボルともいえる石川・のとじま水族館が3月22日、完全復活し盛大なセレモニーが行われた。

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震災から約1年3カ月ぶりの全面再開となった。

能登半島地震で甚大な被害を受け、2024年7月からは一部で営業を再開していたが、待ち望んでいた人気のイルカショーも復活した。

イルカが輪投げを使った曲芸を披露

水しぶきを上げながら力強い演技を見せるイルカは、ボールや輪投げを使った曲芸を披露。

久々のイルカショーに会場は沸き、来館者からは「完全復活ってことで、とてもワクワクして楽しめた」、「なんか前よりもうまくなってる感じがあった」などの声が寄せられた。

地震後の被害の様子
地震後の被害の様子

2024年1月1日、最大震度7の揺れを観測した能登半島地震。
激しい揺れが水族館を襲い、館内は激しく損傷。
天井の屋根は崩れ落ち、巨大な水槽の水位も半分以下に低下する事態に…。

地震で約3400匹が犠牲に

被害は建物だけにとどまらなかった。
人気のジンベエザメの「ハチベエ」と「ハク」が水槽の中で死んでいるのが見つかるなど、約3400匹が犠牲になった。

地震から半年間の休業を経て、2024年7月に一部エリアで営業を再開。
さらに、10月に新しいジンベエザメの「モモ」が仲間入りし、2025年1月にはペンギンの散歩タイムが復活するなど、着々と復興への道を歩んでいた。

そして福井や神奈川に避難していたイルカ11頭も戻り、完全復活への準備を進めていた。

再開に向けスタッフも万全の準備

再開に向けた準備は、動物たちだけではなかったという。

発声練習をするスタッフ
発声練習をするスタッフ

場内アナウンスを務めるスタッフは、「本日はご来館くださいまして、誠にありがとうございます」などと1人で発声練習に励み、本番に備えていた。

そして22日、1年3カ月ぶりに全面再開を果たした。

海洋動物係長・松岡哲也さんは「お待たせしましたというような感じ。本当にうれしかった」、「限られた時間の中で精いっぱいのことをできたかなと思う。ただ、これで満足はしていないので、どんどんレベルを上げていきたい」と、現在の思いを語った。

入場料“値上げ”に「歓迎の声」

一方、一部で話題となったのが入場料だ。
大人一般「1000円」が「1890円」、こども「無料」が「510円」に変更となったのだが、この値上げをめぐってSNS上には意外な声が…。

「やったおめでとうございます」、「あまりにもうれしい値上げのニュース」などと、まるで歓迎するかのような声が寄せられ、大きな反響を呼んだのだ。

なお今回の値上げは、正確には「入場料が元に戻った」ということだという。
のとじま水族館では、2024年7月の一部再開の際に特別料金として値下げしていて、完全再開を受けて元の料金に戻したことになる。
(「イット!」 3月24日放送より)

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