魅力と合わせて、壷井自身が理想とするものは「観客のみなさんが気づいたら時間が経っていた、そんな演技が理想です。あと僕自身は目標として300点を超えたい」と熱く語る。

300点へのカギは4回転トゥループ

彼が見据える先は、「スケート人生最大の目標300点。どんどん自分を高めていけたらと思っています」と意気込む。

300点は、世界のトップスケーターしかたどり着けていない。今シーズンの300点超えの達成者は現役選手ではイリア・マリニンと鍵山優真のみ。過去には羽生結弦さんや宇野昌磨さんといったレジェンドスケーターと肩を並べる数字となる。

メダルを手にして笑顔を見せる壷井(2024年全日本)
メダルを手にして笑顔を見せる壷井(2024年全日本)

その大台に向けてカギとなるジャンプが「4回転トゥループ」だ。

左足のトゥ(ブレードのつま先の部分)をついて、右足で踏み切って跳び上がる「4回転トゥループ」。

「トゥ系ジャンプでは空中での回転数が(2回転から3回転に)増えたときに筋活動のタイミングを変えるという感じで回転数の増加を達成している。トゥ系に関しては、その使い方が(自分にとって)不利なんじゃないかなと感じていて、そこをどう改善していくかはこれからの課題」

公式戦では成功できていない4回転トゥループ。壷井はスケート人生最大の目標である「300点超え」に近づくため、四大陸選手権での初成功を目指す。

神戸大学でインタビューに応じた壷井
神戸大学でインタビューに応じた壷井

「今シーズン目標にしていたのは『トゥループを試合で入れて完成させたい』というのがあるので、挑戦していけたら。来シーズンはオリンピックシーズンになるので、強い思いを持ってこの2試合で戦っていきたい」

壷井の五輪への道はもうはじまっている。

韓国・ソウルで行われる四大陸選手権。日本から男子は壷井達也、三浦佳生、友野一希が、女子は千葉百音、樋口新葉、松生理乃、ペアは三浦璃来・木原龍一組、長岡柚奈・森口澄士組、アイスダンスは吉田唄菜・森田真沙也組、田中梓沙・西山真瑚組が出場する。

四大陸フィギュアスケート選手権2025
2月21日(金)深夜2時25分~放送(男子・ショート&ペアフリー)
2月22日(土)深夜1時45分~放送(男子フリー)
2月23日(日)深夜1時30分~放送(女子フリー)

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班