そんな壷井の努力を一番近くで見てきたのが、同じ神戸のリンクを拠点としている坂本だった。代表に選ばれた選手の名前が書かれた紙を見て坂本は、壷井の名前を何度もなでた。

ジュニア時代は、世界ジュニア選手権で表彰台にのぼるなど、将来を期待されていたが、シニアに上がってからはケガに苦しむなど、試練の日々を送ってきた。
こうして22歳にして再び花開き始めた壷井のスケート人生。そんな彼はリンクの外では現役大学生というもう一つの顔があった。
大学生としての壷井はマイペース
フィギュアスケート選手として活躍しながら、現役で神戸大学に合格した壷井。
「大学で時間をつくって勉強するなら少しでもスケートに役立つこと」と考え、動作研究などを行う、国際人間科学部に入学する。

「1年の時はコロナ禍で大学の授業がオンラインでした。2年からは対面授業もあり、4年になると卒論に向けた準備や実験もあり、忙しかったですが、充実した大学生活を送ることはできたと思う」と振り返る。

ゼミ生が語る壷井の性格は「マイペース」。