その理由は、集団の話し合いの中で正解者の意見をきちんと生かせなかったからです。

たとえば、解けなかった他の多数派のメンバーが、正解が分かる人の意見を無視したり、自説を押し通して誤った方向に誘導したりすることで、話し合いが負の影響を及ぼすことがあります。

その結果、正解が集団の中にあったにもかかわらず、解答に反映されなかったのです。

あいまいな問題は「正解者」の解答は反映されにくい(画像:イメージ)
あいまいな問題は「正解者」の解答は反映されにくい(画像:イメージ)

なお、数学のような正解が明確な課題ではなく、あいまいな問題だったらどうでしょうか。

言語類推課題のような、よりあいまいな答えを行ってもらう場合には、メンバーに正解者がいたとしても、集団正解率はさらに下がります。たったの28%しか正答できなかったという結果でした(※Laughin & Adamopoulos(1980))。

正解が白黒はっきりつけにくい課題のときには、より正解者の意見が取り入れにくかったのだといえます。

これを会社のミーティングに置きかえてみると、同じようなことが起きそうではないでしょうか。

会議であまり詳しくないにもかかわらず持論をしゃべりつづけるような人は、まさしくこの例にあたるでしょう。