静岡県・伊東市の田久保市長への2度目の不信任決議案について伊東市議会は31日、賛成多数で可決した。
地方自治法の規定により、2度目の不信任決議案を受けた田久保市長はきょうをもって、日付が変わる時点で失職となる。
田久保市長は議長から不信任決議書を受け取った後報道陣の取材に答え、「私への2度目の不信任案については議会の決定として粛々と受け止めさせて頂きたい」と述べた。
その上で、次の市長選挙へ出馬するのかと聞かれると、「まずはきょう決定出ましてそれを受け止めるというところまでで。その先の進退につきましてはご支援頂いている皆さんとよく話しながら、自身も向き合って考えて参りたいと思っています」と話して、明言を避けた。
さらに市長としての5ヶ月間を振り返る中で、涙ながらに、「職員の皆さんには色々とサポートして頂いて、本当に…お陰で短い時間で限られた時間だったんですけど、良いお仕事が出来たと思っています」と市職員への感謝を述べた。
さらに、「市民にも『負けないで』と言われて、本当に嬉しかったです」「握って頂いた手が本当に温かかった」「一生懸命やりきりました。やりきったという思いで今一杯でございます」と感謝を述べ、涙が止まらない様子だった。
しかし、失職の原因となった学歴問題、議会に見せた卒業に関する文書を公開するのか聞かれると、「刑事告発の対象なので発言できない」と従来の答えを繰り返した。
田久保市長は元市議会議員で、2023年の市議会議員選挙では最下位当選だったが、2025年5月に行われた市長選挙で現職との一騎打ちを制し、“下剋上”を果たした。
市長選に際して報道機関が依頼した経歴調査票に「東洋大学法学部経済法学科卒業」と記入されていたほか、市が発行する最新の広報誌にも「平成4年 東洋大学法学部卒業」と記載されていたにも関わらず、6月初旬に市議全員宛てに「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している」という“告発文”が届いたことから学歴問題が発覚。
実際には、東洋大学を除籍されていた事が分かった。
学歴詐称問題に端を発し、不信任案を議決した市議会に対して田久保市長は解散を選択したが、10月19日に行われた市議選では定数20に対して“反田久保派”が19人を占めたこと。そのため市議会臨時会で再度不信任案が可決され、失職することが確実な状況となっていた。

 
       
       
         
         
        