2021年、小学6年生で日本記録を更新した陸上女子・若手のホープ岡林結衣選手。彼女はこの春、中学校を卒業する。高校進学を前にした次なる目標とは。

高校進学前の新たな目標

2021年に高知さんさんテレビが取材した際、岡林結衣選手はあどけない表情が残る小学6年生だった。この頃から、記録へのこだわりは人一倍強いものがあった。

この記事の画像(13枚)

当時、岡林結衣選手は「毎回早いタイムが出せるわけじゃないけど、自己新記録を出したらすごくうれしい」と語っていた。

強い思いで挑んだ小学6年の時の全国大会では、当時の小学生女子100メートルの日本記録を更新。

中学にあがっても彼女の勢いは止まらなかった。全国中学校体育大会では、中学1年生の時に200メートルで、中学2年生では100メートルでそれぞれ優勝した。

そんな彼女も、今はまもなく卒業を迎える中学3年生だ。

「(身長が妹に)抜かれました。ちょっと悔しい」と語るのは岡林結衣選手の姉、高知農業高校2年生の沙季選手。
結衣選手の活躍ぶりが注目されがちだが、沙季選手も陸上・短距離の選手だ。

9レーンを走るのが岡林沙季選手
9レーンを走るのが岡林沙季選手

2024年に出場した国体では、少年女子A100メートルで5位入賞。100メートルの自己ベストも妹の結衣選手を上回る実力の持ち主だ。

沙季選手は「結衣が速いので不安になったりもするんですけど『もっと頑張らんと』って気持ちが上がります」と話す。沙季選手にとって妹の結衣選手は「大好きな妹であり、大っ嫌いなライバル」だという。

大の仲良しでありながら、“最大のライバル”同士である2人。

結衣選手は姉が通う高知農業高校に進学を希望している。
高知農業高校・陸上競技部の小松監督は「最終的に国際大会で2人でリレー組んでもらいたい」と語る。

将来が期待される2人に今後の目標を聞いてみると、姉の沙季選手は「100メートルと200メートルの県高校新記録を塗り替えて、結衣に勝つ」ことが最大の目標だと語った。

一方で結衣選手は…。

大津中学校3年・岡林結衣選手:
一個上の人たちに勝つっていうのが目標と、お姉ちゃんの県高校新記録を塗り替えます。

“2人そろって表彰台に立つ”

中学3年生の結衣選手は高校の受験勉強の真っ只中。その傍ら、姉が通う高知農業で練習に明け暮れている。

走り幅跳びにも取り組む結衣選手
走り幅跳びにも取り組む結衣選手

今取り組んでいるのは、2024年4月に姉と共に始めた走り幅跳びだ。小松監督は、「短距離だけでなく走り幅跳びにも取り組むことでジャンプ力がつき、100メートル走に生かせる」と語る。

結衣選手は小松監督が跳躍の先生だったため「習いたい」と思い始めたという。
結衣選手がこの種目を始めて1年もたたないが、すでに大会での優勝経験がある。

この日も沙季選手と共に繰り返し練習していた。そんな仲良しの2人が同じ高校のユニフォームを着て試合に出られるのは1年限り。この1年にかける2人にとって共通の目標がある。それは、“2人そろって表彰台に立つ”こと。

高知農業高校2年・岡林沙季選手:
姉妹2人でインターハイの100メートル決勝に一緒に残って走って、私が勝つのが一番の目標です。

大津中学校3年・岡林結衣選手:
私もお姉ちゃんと一緒に決勝に残って、それで表彰状をもらって、幅跳びでも入賞したいです。(Q.その時は姉には勝つんですか?)お姉ちゃんには勝ちます!

2人は2月1日・2日、大阪で開催された全国大会に出場した。結衣選手は幅跳びで優勝。沙季選手は60メートル走の予選で4位だった。姉妹の、目標に向けて切磋琢磨する1年が始まっている。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
高知さんさんテレビ

高知の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。