毎年、流氷が紋別でも観測されると、とっかりセンターでは、あわただしい奮闘の季節のはじまりとなります。

保護されることが多いのは春

現在、ゴマフアザラシ24頭(オス10頭、メス14頭)とワモンアザラシ3頭(オス2頭、メス1頭)の27頭がいる「とっかりセンター」。

スタッフによると、野生のアザラシが保護されることが多い季節は「春」だという。

「春にアザラシの保護要請が増えます。特に保護数の多いゴマフアザラシは、3月頃に流氷の上で出産します。しかし、厳しい自然界の中で親とはぐれてしまったり、怪我をしたり、ひとり立ちしたあとにエサの魚がとれずに衰弱しているところを発見され、保護されます」

飼育スタッフのもとに集まるアザラシたち(『アザラシまるごとBOOK』より)
飼育スタッフのもとに集まるアザラシたち(『アザラシまるごとBOOK』より)

こうして保護されたアザラシが過ごす「とっかりセンター」が誕生した経緯をスタッフはこう語る。

「1987年、紋別市大山町の民家を借りて、その庭先に当時保護した4頭のアザラシのために2メートル四方のため池を掘り、仮説プールと飼育調教場を作ったのが始まりです。

そして、1988年秋に大山の山裾にある森林公園(緑町)の池に移転しました。アザラシが泳げるプールの面積は大きくなりましたが、当時はまだ淡水で飼育していました」

1999年に海洋公園内の現在の場所に移動し、施設の愛称も募集し「ゴマちゃんランド」と呼ばれるようになったという。

表情豊かなアザラシのショット(『アザラシまるごとBOOK』より)
表情豊かなアザラシのショット(『アザラシまるごとBOOK』より)

そして2015年に新規施設として「アザラシシーパラダイス」がオープンする。