センターにいるアザラシは一頭一頭性格が異なるが、「もともとは怖がりな個体が多い」とスタッフは話す。
野生の本能によるところもあるが、「普段見ないものや大きな音などには敏感に反応して、逃げていくこともある」そうだ。

また、オスとメスの見分け方は「お腹」だと言う。
「オスはおへその穴と生殖孔がお腹にあり、縦に2つ穴が開いているように見えます。メスは生殖孔が後肢(お尻)の間にあるため、おへそとその下の両サイドに乳腺(おっぱいの穴)があり、三角形の小さな穴が開いています。オスも乳腺があるのですが、使わないのでほとんど見せません」とのこと。
さらに、「陸では腹ばいが基本姿勢」のアザラシの、センターにいるからこそ見ることのできる“レア姿”もあると教えてくれた。
「後肢(お尻)を上にあげたり、上半身を大きく反らせた体勢などもでき、柔軟性は高いです。水面でボーッとしている立ち泳ぎスタイルも多いのですが、水中に寝そべって眠っていることもあります。野生下では外敵から身を守るためにあまり見せないかもしれませんが、施設内では水陸問わず、へそ天で寝ていることもあるんですよ」
「オホーツクとっかりセンター」を訪れたときは、アザラシたちのここにいるからこそ見ることができる姿にも注目だ。

【編著】南幅俊輔
グラフィックデザイナー&写真家。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材も行っている。