センターにいるアザラシは一頭一頭性格が異なるが、「もともとは怖がりな個体が多い」とスタッフは話す。

野生の本能によるところもあるが、「普段見ないものや大きな音などには敏感に反応して、逃げていくこともある」そうだ。

「オホーツクとっかりセンター」にいるアザラシ(『アザラシまるごとBOOK』より)
「オホーツクとっかりセンター」にいるアザラシ(『アザラシまるごとBOOK』より)

また、オスとメスの見分け方は「お腹」だと言う。

「オスはおへその穴と生殖孔がお腹にあり、縦に2つ穴が開いているように見えます。メスは生殖孔が後肢(お尻)の間にあるため、おへそとその下の両サイドに乳腺(おっぱいの穴)があり、三角形の小さな穴が開いています。オスも乳腺があるのですが、使わないのでほとんど見せません」とのこと。

さらに、「陸では腹ばいが基本姿勢」のアザラシの、センターにいるからこそ見ることのできる“レア姿”もあると教えてくれた。

「後肢(お尻)を上にあげたり、上半身を大きく反らせた体勢などもでき、柔軟性は高いです。水面でボーッとしている立ち泳ぎスタイルも多いのですが、水中に寝そべって眠っていることもあります。野生下では外敵から身を守るためにあまり見せないかもしれませんが、施設内では水陸問わず、へそ天で寝ていることもあるんですよ」

「オホーツクとっかりセンター」を訪れたときは、アザラシたちのここにいるからこそ見ることができる姿にも注目だ。

『アザラシまるごとBOOK』(辰巳出版)

【編著】南幅俊輔
グラフィックデザイナー&写真家。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材も行っている。

南幅俊輔
南幅俊輔

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材も行っている。著書に『ソトネコJAPAN』(洋泉社)、『ワル猫カレンダー』『ワル猫だもの』(マガジン・マガジン)、『ハシビロコウカレンダー』(辰巳出版)、『踊るハシビロコウ』(ライブ・パブリッシング)など。企画・デザインでは、『ハシビロコウのすべて』『ゴリラのすべて』『ラッコのすべて』(廣済堂出版)、『美しすぎるネコ科図鑑』(小学館)、『ねこ検定』『マヌルネコ15の秘密』(ライブ・パブリッシング)など。