夏休みの思い出づくりや自由研究にぴったり。
巨大なアゴ、湿度によって変色、そして“体の一部だけオス”という珍しい個体まで…。子どもたちのヒーローに迫る企画展が、広島市森林公園の「こんちゅう館」で開かれている。
立派な角やアゴが魅力の“ヒーロー”
夏になると、子どもたちの関心が一気に高まるカブトムシとクワガタムシ。

広島市森林公園の「こんちゅう館」では、生きた状態で約40種、標本約200種を集めた企画展「カブト・クワガタ 2025」が8月24日まで開催されている。館内に入ると、初めて見るような珍しい種類がずらり。大アゴが長~い「メタリフェルホソアカクワガタ」や、湾曲した大きな角を持つ「ヘラクレスオオカブト」も目を引く。

「全身黒でツヤツヤしていて、でっかい角があるのがいい!」
そう話すのは、カブトムシなどを5匹飼っている小学5年生の男の子。友達が自由研究の題材にしていたことをきっかけに昆虫採集が大好きになり、今では「家族みたいな存在」だと言う。
似て非なる「カブト・クワガタ」
展示のテーマは「知る・学ぶ」。派手な角や大アゴを持つオスに注目が集まりがちだが、今回はメスの展示も多く、生態の違いにも光が当てられている。

こんちゅう館の久我立技師は「クワガタムシとカブトムシはセットというイメージがあるが、実はまったく違う系統の生き物」だと話す。系統図の展示を案内し「カブトムシはコガネムシのほうが近いし、クワガタは別の昆虫のほうが近い」と説明してくれた。
さらに、カブトムシの“におい”を体験できる仕掛けも!
“成熟したオスは臭い”という「アクタエオンゾウカブト」のケースには、においを嗅ぐための穴が開いている。

その穴に、辰已麗キャスターが鼻を近づけると…
「酸っぱい…?酸っぱ臭いにおいがしました」
久我さんの話では“人が不快に感じるにおい”がするとか。
そのほか展示とともに大人も楽しめる“豆知識”が散りばめられている。例えば、湿気が多いと黄褐色から黒く変色する「ヘラクレスオオカブト」。生死にかかわらず、標本になっても色が変わるというから驚きだ。
“オスとメスが混ざった”幻の個体も
今回の展示の目玉の一つが、県内の人から寄贈された「雌雄モザイク」のヒラタクワガタ。
片方のアゴがオスのように大きく、もう一方は小さい珍しい個体で、ごくまれに自然界で見つかるものだという。

この個体は左の大アゴと前胸の一部にオスの特徴を持ち、それ以外はメスの特徴が見られる。
オス?それともメス?体内で何が起こっているのだろう…。思わず見入ってしまうその姿は、昆虫の奥深さを感じさせる。

今回の展示は、夏休みの“おでかけ候補”にぴったり。親子でカブトムシとクワガタムシの不思議な世界をのぞいてみてはいかがだろうか。
企画展「カブト・クワガタ 2025」
◆期間:2025年7月12日(土)~8月24日(日)
◆場所:広島市森林公園 こんちゅう館(広島市東区福田町字藤ヶ丸10173番地)
◆開館時間:9:00~16:30(最終入館 16:00)
◆入館料:中学生以下無料、高校生・65歳以上170円、大人510円
(テレビ新広島)