セルフケアの目的は「自分で自分の機嫌を取る」あるいは、「心をご機嫌な状態に戻していく」ことだとも言えます。

このような時間をまとめて取ることも重要ですし、期待に依存している口ぐせに自分で気づいた時にも、サッとこの「セルフケア」モードに入れると、自分の状態を立て直しやすくなります。

この「セルフケア」モードに入るための入口は、まず「一呼吸おく」ことです。

ふっと一息、吐いてから、大きく吸って、そしてまた息を吐き出す。

これだったら、例えばランチの席で料理が運ばれてくるまでの時間や、車を運転していて信号が赤になっている時、電車が来るのをホームで待っている時や、パスタを茹でている間といった、すきま時間に「セルフケア」への入口を作ることができますので、やってみてください。

冷静になるための自分への問いかけ

そして、自分にこんな問いかけをしてみてください。

「私は相手にどんな期待をしているのだろうか?」
「相手は私にどんな期待をしているのだろうか?」

冷静さを取り戻す自分への問いかけを(画像:イメージ)
冷静さを取り戻す自分への問いかけを(画像:イメージ)

期待に依存してしまっている、口ぐせが出てくる瞬間は、どちらかというと興奮状態にあると言えますので、これを少し冷静な視点で思考することで、冷静な自分を取り戻したいというところです。取り戻すきっかけとなるのが、この2つの問いです。

こういった、自分に自分で問いかける静かな問いのことを私は「セルフトーク」と呼んでいます。

このセルフトークのフレーズを工夫することは、人生の質を高めることにつながりますので、ここで新しい習慣を身につけましょう。

そして、ある程度その思考を巡らせることができたら、次のセルフトークはこれです。

「それで、あなたはどうしたい?」

あなたの期待の奥底に眠る「願い」を探してみてください。

きっとその相手と仲良くなりたいんですよね。楽しい時間を共に過ごしたいんですよね。そして、共に成長していきたいんですよね。

そんなポジティブな願いに自ら気づくことができれば、自然と相手に出す言葉や、毛穴レベルで伝わっている風合いも変化していくのではないでしょうか。

自分の気持ちの原点に戻る「セルフケア」の時間、ぜひあなたの生活の中に取り入れてみてください。

『人間関係の悩みがなくなる 期待しない習慣』(朝日新聞出版)
『人間関係の悩みがなくなる 期待しない習慣』(朝日新聞出版)

林健太郎
コーチ、リーダー育成家。合同会社ナンバーツー エグゼクティブ・コーチ。一般社団法人国際コーチ連盟(現・国際コーチング連盟)日本支部創設者。『否定しない習慣』『子どもを否定しない習慣』(ともにフォレスト出版)など著書多数。

林健太郎
林健太郎

コーチ、リーダー育成家。合同会社ナンバーツー エグゼクティブ・コーチ。一般社団法人国際コーチ連盟(現・国際コーチング連盟)日本支部創設者。バンダイ、NTTコミュニケーションズなどに勤務後、エグゼクティブ・コーチングの草分け的存在であるアンソニー・クルカス氏との出会いを機に、プロコーチを目指してアメリカで経験を積む。帰国後、2010年にコーチとして独立。これまでに日本を代表する大手企業や外資系企業などで、2万人以上のリーダーを対象にコーチングやリーダーシップの指導を行う。独自開発した「コーチング忍者」研修は、(株)サザビーリーグ、(株)ワコールなどの企業に採用され、これまで500人以上のリーダーが受講している。『否定しない習慣』『子どもを否定しない習慣』(ともにフォレスト出版)など著書多数。オンラインサロン「否定しない会話の学校《ミラタネ》」を主宰。2024年12月には「~夢を諦めない子どもの育て方~林健太郎式 親子コーチングアカデミー」を開校。