「緊急性のない救急搬送だった場合は料金を徴収する」という、都道府県としては全国初の取り組みが茨城県で始まった。
県内の救急搬送件数は14万超で過去最多に
「イット!」が訪れたのは、茨城・水戸市にある県内各地からの119番通報が集まる「いばらき消防指令センター」。
この記事の画像(15枚)「はい、救急車大至急向かいます。住所市町村から教えてください」
通報を受けると、まずは病状の聞き取りを行う。
「いま意識はしっかりしていますか?」
「何時頃どのように転んでしまったのですか?」
要請があった場合、救急隊は原則として救急搬送を拒否することはできない。
しかし今、緊急性のない搬送要請が増え、問題となっているのだ。
2023年、茨城県内の救急搬送件数は14万3046件で過去最多となった。
一方で、その半数近い47.9%は軽症だったという。
大井川知事は「救急車が無料のタクシー代わりになってしまっているという現状は憂慮すべきものである」と述べ、強い危機感を訴えた。
茨城県が12月2日から有料化を取り入れた仕組みを開始
「救急車は無料のタクシーではない」として茨城県が2日から始めたのが、有料化を取り入れた仕組み。救急車で運ばれながらも、緊急性はないと診断された患者から“選定療養費”を徴収する、という制度だ。
県内22の大病院において、緊急性の有無を医師が判断する。
緊急なしの場合、7700円を基本として病院ごとに料金が設定されていて、最も高額な病院では1万3200円が徴収される。
街の人からは、「緊急性がない時に呼んでると、肝心な時に役に立たないので仕方ない(70代)」「いたずらみたいなものもあるときのう見たので、(徴収は)いいと思う(20代)」といった意見があった。
都道府県単位では全国初となるこの取り組み。
緊急性が認められていない事例として挙げられているのは「軽い切り傷や擦り傷」や「微熱」、また「虫さされ」のみの症状など。
判断のポイントは、搬送を要請した時点での緊急性の有無で、病院に到着した時点で症状が改善していても、救急車を呼んだ時点での緊急性が認められれば料金は徴収されない。
“有料”実施の三重・松阪市では2023年同月比で約22%減少
同様の取り組みを2024年6月から市として始めた三重・松阪市では、救急車の出動件数が2023年の同じ月より約22%減少した。
一方で、「呼ぶのに有料となると、ちゅうちょは気持ち的にしちゃうと思う」など、救急車を呼ぶことをためらって重症化しないか、不安の声も聞かれた。
県は、緊急時には迷わず救急車を呼ぶよう呼び掛けている。
いばらき消防指令センター・小林良導センター長:
少しでも緊急性があると感じた時はこれまでと変わらず、ちゅうちょすることなく119番通報していただければと思います。
(「イット!」 12月3日放送)