2024年9月に新潟県上越市の小学校で、卵アレルギーのある児童が“かき玉汁”が入った食器に触れてアレルギー症状が出た問題で、学校側が適切な対応をとらなかったとして、被害児童の保護者が11月6日に会見を開いた。保護者は、児童が給食を食べることに恐怖を覚え、学校に通えなくなっていると明かした上で、学校側にアレルギー対応のマニュアルの徹底などを求めた。
給食でアレルギー症状も…マニュアルの対応取られず
「苦しくなったときに、誰が子どもを助けてくれるのかと恐怖心がある」
こう明かしたのは2024年9月、上越市の小学校で給食の際に卵の入った器に触れ、卵アレルギーを発症した児童の保護者だ。
この記事の画像(5枚)問題の事案が発生したのは9月9日午後1時前。上越市にある小学校で、給食の時間が終わったあとに、卵アレルギーのある低学年の児童の左ひじが同級生のかきたま汁が入っていた食器に触れた。
上越市教育委員会によると、児童が担任に報告した際、首元や背中に発しんが見られ、かゆみを訴えていたことから担任が保護者に「児童がかゆみを訴えている」と連絡。
ただ、このとき薬を飲ませていなかったという。
約1時間後に駆けつけた保護者が薬を飲ませたものの、児童に軽いせきの症状が出ていたことからエピペンを注射。児童は市内の病院に運ばれ、アナフィラキシーと診断された。
上越市のマニュアルでは、軽度のかゆみなどの反応があれば、5分以内に判断して内服薬を飲ませると規定しているが、保護者が児童のもとに駆けつけた際には、全身にじんましんが出てきている状態だった。
「一刻も早く学校に…」学校側へケア求める
児童は、このあと給食を食べることに恐怖を覚え、学校に通えなくなっているという。
また、保護者は「問題から2カ月が経っても、学校側から被害児童のケアが全くなされていない。一刻も早く子どもが学校に行けるように、日常生活を取り戻すために、本人のためにケアをしていただきたい」と訴えた。
一方、上越市教育委員会は「保護者側との協議に向けて準備を進める」と述べるに留めた。
アレルギー事故から2カ月が経ち、被害児童も不登校の状況が続く中、早期の対策案を示すことが重要だ。
(NST新潟総合テレビ)